サステイナブルの証、OEKO-TEX®とは?

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    多くのアパレル企業が特に力を入れている、サステイナブル化。繊維製品がいかに安全で、環境負荷が少なく生産されているかを証明する認証機関の利用も増えてきました。

    今回は、繊維業界で需要が高まりつつある「OEKO-TEX®(エコテックス)」について調査してみました。

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    OEKO-TEX®

    OEKO-TEX®とは

    OEKO-TEX®(エコテックス) は、日本の安全基準をはるかに超える、350種以上の有害物質を対象とした世界最高水準の安全な製品の証明です。また、生産に関わる人たちや環境への負荷にも配慮したサステイナブルな工場の認証書としても発行され、「OEKO-TEX® certificated mill/factory(OEKO- TEX®認証工場)」を使用していることを伝えると安心感を与えて、スムーズな取引に繋がるかもしれません。繊維ビジネスにおける、世界に通ずる安全の証明書として知られています。

    OEKO-TEX®の特徴

    OEKO-TEX®の特徴は下記の4つとして紹介されています。

    世界トップレベルの安全基準

     

    OEKO-TEX®は、常に変化する世界の安全基準に対応するために、最先端の情報に適応しています。そのため、日本に留まらず、世界の厳しい安全基準を設ける国の規制にも適応できす、世界トップレベルのテキスタイル安全基準です。

    豊富な実績

     

    OEKO-TEX®は、世界100か国以上、20万件以上の豊富な採用実績があります。商品のタグにもOEKO-TEX®ラベルがついている商品を目にすることも増えました。特に欧州では、ビジネス取引以外にも、一般の消費者が商品を購入する際に、OEKO-TEX®ラベルの有無を確認されることも多く、広く認知されている安全基準認証書です。今後も、世界各国で需要が高まることが期待されています。

    原料から企業のあらゆる段階に対応する認証

     

    原料レベルや1本の糸、さらに染料や助剤などの化学薬品素材から、最終製品まで幅広く安全基準をカバーしています。さらに、排水や労働環境も含めた企業や工場の生産体制や、生産工程のトレーサビリティも網羅しており、あらゆる段階まで対応する認証です。OEKO-TEX®の認証範囲は、繊維業界におけるサステイナブルな指標を、全てカバーできているといっても過言ではありません。

    SDGsやサステイナブルへの取り組み

     

    SDGs発足以降、サステイナブルな製品や生産工程に注目が集まっています。世界全体が一丸となって、人と環境にやさしい取り組みに力を入れています。SDGsに挙げられる目標の項目に、たくさん適合するOEKO-TEX®は、サステイナブル社会作りに貢献しています。

    OEKO-TEX®の種類

    引用:エコテックスとは – 繊維の安全証明「エコテックス®」-日本公式サイト- (oeko-tex-japan.com)

    OEKO-TEX®には、あらゆる段階にも対応できるように、各基準が細かく設けられています。その認証範囲によって、認証の種類が分類されています。

    • STANDARD 100: 繊維製品(糸・縫製パーツ・服など)
    • LEATHERS STANDARD: 革製品(レザーバッグ・レザージャケットなど)
    • ECO PASSPORT: 化学薬剤(染料・助剤など)
    • STeP: 生産現場(工場安全基準、危険物取り扱い基準など)
    • DETOX TO ZERO: 工場排出物等(工場排水など)
    • MADE IN GREEN: STEP + STANDARD 100(生産現場と製品両方カバー)

     

    STANDARD 100

    「STANDARD 100」は、350を超える有害化学物質が対象となる厳しい分析試験にクリアした製品だけに与えられる、世界最高水準の安全な繊維製品の証として広く浸透しています。最近は、環境配慮製品が増えたので、タグを注意深く確認してみると、身近にこの認証タグがたくさん見つかるかもしれません。

    レベルは4段階あり、厳しい順からclassⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳとなっています。classⅠは、36か月までのベビー用品向けに設けられ、最も厳しい認証基準です。

    2019年6月末のデータで、世界106か国、20万件以上の認証取得実績があります。OEKO-TEX®の数ある認証書の中でも、圧倒的に導入実績があります。

     

    LEATHER STANDARD

    皮革製品の安全認証である「LEATHER STANDARD」。皮革製品は、牛や羊などの動物の皮が使用され、脱脂、鞣し(なめし)などの工程を経て革が作られます。革が作られる過程で、界面活性剤、防腐剤、鞣し剤など様々な薬剤が用いられ、それら薬剤に有害な化学物質を含んでいないことを証明する認証となります。

    STANDARD 100と同様に、4段階のレベルが設けられており、厳しい順から製品クラスⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳがあります。

    認証実績は、2021年6月のデータで74件の導入となっています。

     

    ECO PASSPORT

    「ECO PASSPORT」は、繊維製品の染料や助剤をはじめとする化学薬剤に向けて設けられた認証です。繊維製品を作る上で、もっとも有害物質が含まれる可能性が高いものが、化学薬剤と言われています。危険物質規制として有名なREACH規制やZDHCにも対応する、世界最高水準の安全性を証明することができます。

    2019年6月末のデータで、世界31か国、421件以上の認証取得実績があります

     

    STeP

    「STeP」は、Sustainable Textile Productionの頭文字から取っています。STePは、繊維製品の生産に関わる工場や企業が、どれだけ持続可能な体制であるかを証明する認証です。生産工場の環境問題や化学物質管理に加えて、従業員の安全や衛生への取組みが認証範囲です。サステイナブルの証明として、世界で急速に取得する企業が増えている認証です。

    STePは6つのモジュールから構成されており、それぞれ「生産環境管理」「化学物質管理」「品質管理」「従業員の健康・安全」「社会的責任」「地球環境への影響」となっています。これらの基準から認証の分析と評価がされます。

    2019年6月末のデータで、33か国、139件の認証取得実績があります。

    DETOX TO ZERO

     

    「DETOX TO ZERO」は、繊維や皮革産業の生産における、排水や汚泥の質に加えて、化学物質の使用やその他環境面を評価して安全性を証明します。

    DETOX TO ZEROは、MRSL(製造制限物質リスト)に従って、排水管理や化学物質管理の適合性を確認します。そして、生産者の環境に焦点を当てたマネジメント体制には、「内部プロセス」「化学物質を取り扱う際の法的要件の順守」「環境保護」「従業員の安全・衛生」が審査対象に含まれます。

     

    MADE IN GREEN

    「MADE IN GREEN」は、OEKO-TEX®の中でも最高レベルの認証ラベルです。素材、生産背景そして製品までの、最高レベルの安全性を示す証明です。

    STeP認証とSTANDARD 100の両方を組み合わせて、原料から生産・縫製・加工の製造に関わる全てが、QRコードからチェックすることができる高いトレーサビリティを誇っています。誰もがスマートフォンから信頼性を確認できる、最先端の繊維のトレーサビリティ証明が「MADE IN GREEN」です。

    製品の安全性に加えて、企業の透明性やサプライチェーンの開示を担っています。

    2019年6月末のデータで、33か国、1,304件の認証取得実績があります。

    まとめ

    POINT

    OEKO-TEX®(エコテックス):
    繊維ビジネスにおける、世界に通ずる安全の証明書


    OEKO-TEX®の特徴

    • 世界トップレベルの安全基準
    • 豊富な実績
    • 原料から企業のあらゆる段階に対応する認証
    • SDGsやサステイナブルへの取り組み


    OEKO-TEX®の種類

    • STANDARD 100
    • LEATHER STANDARD
    • ECO PASSPORT
    • STeP
    • DETOX TO ZERO
    • MADE IN GREEN

    これからのテキスタイルビジネスにおいて、重要な役割であるサステイナブル関連の認証書。OEKO-TEX®は、テキスタイル業界で広く知られ、身近な服から家具や身の回りの製品の安全性の証明となり、購入者にとっての指標ともなります。今後も、ますます導入する企業が増え、輸出ビジネスのキーポイントになるでしょう。

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