
Tシャツのオリジナルプリントサービスは、学園祭のクラスTシャツや居酒屋のスタッフTシャツなどすっかりお馴染みになりましたが、インクジェットプリントの普及が進んだおかげで、生地も小ロットでプリントを依頼できるサービスが増えてきました。
そこで問題となってくるのが、プリント図案です。Tシャツの場合は、写真をそのままプリントしたり、シンプルにモチーフだけプリントすることが多く、それであれば、ココナラなどのマッチングサービスでイラストを依頼したり、イラストレーターやCANVAなどのデザインツールを触ったことがある人なら図案の作成ができる方も多いと思います。しかし、生地の場合は、サイズが決まってしまい、用途が限定される「パネル柄」ではなく、リバティのような花柄や水玉など「リピート(送り)」をつけた図案にして、いろんな用途に使えるようにしたい方が多いと思います。
今回はプリント発注者向けの「リピートのつけ方」について取り上げます。
リピートとは
「送り」ともよばれており、柄(パターン)を連続して繋ぎ合わせることです。
「総柄」と表現されているものはリピートがついています。
リピートのついていないものは「1枚絵」「写真」「ロゴ」といった1つの要素で完結しているデザインで「パネル柄」と呼ばれることもあります。スカーフなどのデザインに多いです。
リピートには大きく2つの種類があります。それぞれの特徴とデータの作成方法をご紹介します。
「Illustrator」イラストレーターというソフトを使用してデータを作成していきます。
正リピート
柄を縦・横方向へ等しく展開する方法


①わかりやすい寸法の正方形を
「線・塗なし」で作成
(例)100×100(単位はmmでもpxでもOK)にて設定

②切り抜いた写真、イラスト、図形等を配置
偏りがなくバランスが良いとリピート位置がわかりにくい
画像では正方形をわかりやすくするために線を黒で表示

③正方形の位置から「左右」にはみ出ている画像を均等に「100mm右」にコピー配置
正方形100mm×100mmにて設定したので100mmづつコピー配置

④正方形の位置から「上下」にはみ出ている画像を均等に「100mm上」にコピー配置
(例)正方形100mm×100mmにて設定したので100mmづつコピー配置

⑤配置した画像を「グループ化」し正方形を「最前面に」配置して「クリッピングマスクを作成」

⑥1つのパターンが完成
上下左右に均等に配置すると無限に続く柄を作成可能
ハーフステップリピート
柄を横or縦方向へ半分移動した展開する方法


①、②は正リピート同じ
③正方形の位置から「左右」にはみ出ている画像を「左右どちらかに100mm,上下方向どちらかに50mm(ハーフ)」にコピー配置

④正方形の位置から「上下」にはみ出ている画像を均等に「上」にコピー配置

⑤配置した画像を「グループ化」し正方形を「最前面に」配置して「クリッピングマスクを作成」

⑥1つのパターンが完成
上下均等に,左右50mm(ハーフ)ずらして配置すると無限に続く柄を作成できる
データ形式について
Illustratorで作成したデータは「ai」というデータで保存されます。
インクジェットプリントのプリンターは、photoshop形式のデータと互換性があることが多く、photshopのデータ形式であるpsdやtiffでのデータ入稿が求められることが多いです。イラストレーターのデータとは別でpsdデータに書き出すことをお勧めします。
下記を参考にして書き出してみて下さい。
ファイル>書き出し>書き出し形式>ファイルの種類を[Photshop psd]選択し保存

まとめ
オリジナル生地を制作する際に最も大事な「デザイン」
手描きのモチーフや、PCで描いたイラスト、写真の切り抜きなどの要素を用意すれば、あとはリピートをつけるだけです。
オリジナルの生地を作ってみてはいかがでしょうか。

