SDGsとは?アパレル業界におけるSDGsへの取り組みって何ができる?

目次

SDGsとは

SDGsとは?

SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されています。

SDGsの中身は、全世界のすべての人が幸せになるために作られた17の目標になります。持続可能でより良い環境作りを目指すために作られた国際目標です。”すべての人”とあるように、「誰一人取り残さない」ことを目標に掲げています。他人事ではなく、達成するためには私たち一人ひとりの行動も重要になるのです。

SDGsは2015年9月の国連サミットで、採択されました。以後SDGsの17の目標は、2030年までに達成することを目標に、各国が取り組んでいます。日本では、2016年に安倍元総理を主導にSDGs推進本部を設置して、実現に向け取り組んでいます。

SDGs=全世界のすべての人が幸せになるために、より良い環境を目指す17の国際目標
(Sustainable Development Goals)

17の目標とは?

先ほどSDGsの中には17の目標があると説明しましたが、具体的にどのような内容なのでしょうか?

それは下記の通りです。

そして日本の17の目標の現在の達成率は下記の通りと言われています。

豊かで安全と言われる日本でも、まだまだ取り組むべき課題がたくさんあることが現状なのです。

アパレル業界に関与するSDGs

では具体的にアパレル業界では、どのようにSDGsの取り組みに貢献できるのでしょうか?

労働環境対策

アパレル業界で注目すべき一つは、労働環境でしょう。

サプライヤーや下請け会社が、どのような労働環境下で働いているかは必ず把握しておくべきです。

関連するすべての会社が、不当解雇賃金未払いなどがないかを下調べしましょう。また、日本では考えられにくいですが、委託先に海外が含まれる場合は児童労働や強制労働の可能性も含めて労働環境を見定めるべきです。

このように上記のいずれかの労働環境に問題があれば、SDGsに掲げる下記の目標の達成はできません。

労働環境に関わるSDGsの代表目標内容
1.    貧困をなくそう極端に低い金額で労働させられたり、賃金未払いにより貧困を
加速させていないか?
2.   飢餓をゼロに上記のように、収入が低いゆえに、満足に食事ができない環境になっていないか?
3.   すべての人に健康と福祉を長期残業等の不当な労働環境のせいで、健康を損なったり、有給休暇等、受ける権利があるにも関わらず、何らかの原因により社会サービスを受けれない環境になっていないか?
4.  質の高い教育をみんなに児童労働や強制労働のせいで、教育への時間が削られていないか?
8.  働きがいも経済成長も強制労働等はなく、個人の意思は尊重されているか?
10.  人や国の不平等をなくそう差別はないか?平等な評価基準は設置されているか?

環境汚染対策

環境汚染対策もアパレル業界で積極的に取り組まれています。

SDGsの目標の中では「7. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」「13. 気候変動に具体的な対策を」「15. 陸のゆたかさも守ろう」などに直結する部分になります。

アパレル業界でも環境改善に向けて取り組まれている活動例としては、下記のようなものがあります。

  • 資源の見直し
  • 無水染色

資源の見直し

アパレル業界では、環境や人体への悪影響に対処すべく、資源の見直しをされてきています。

過去にはアパレル業界に当たり前に流れていた資源も、研究の中で環境や人体に負荷がかかることが分かってきました。

そんな中、採用されている資源見直しの例としては、主に下記のような方法があります。

資源の見直し 内容
リサイクル資源化 自然界に残留するペットボトルやナイロンなどは、生産を続けると
どんどん廃棄物としてたまってきます。そんな資源の再利用に
より、資源の無駄遣いを廃止する動向が取られています。
生分解性素材の採用 生分解とは、自然界で分解され土に還る素材です。天然繊維や
再生繊維、また通常は自然界に残留すると言われるような合繊の中でも、加工により生分解性を持った糸も開発されています。
PFC free化 PFCとはフッ素化合物のことで、過去には撥水剤等に当たり前の
ように含まれていました。しかし、このPFCは自然界に残留し、
人体に蓄積されることが研究で分かり、PFCを含まない剤に
切り替える動きが高まっています。
天然染色 野菜やコーヒー豆等の天然に採れる資源を使用して染色をする
ことで、捨てられる資源の再利用や、天然素材のため環境や
人体にも負荷のない染色法です。

無水染色

無水染色とは、その名の通り、水を使用せず色だしをします。

通常、染色では大量の水が使用され、熱をかけながら染色される方法が一般的です。しかし、この染色では大量の水や廃水問題だけにとどまらず、染色中の機械運転中に発生するCO2やエネルギー資源を要します。

染色が加工工程の中では、一番環境負荷が高いとされています。そのため、環境を考慮して、無水染色に注目されてきています。

無水染色とは、どのような染色法があるのでしょうか?

無水染色の種類内容
原着糸原料を溶かす時点で、染料を入れて、糸自体に色を付ける処方
プリント染色の代わりにプリントで、水を使わずに色付けする処方
超臨界二酸化炭素染色まだマイナーな処方ですが、二酸化炭素に超高圧をかけて、
繊維に染料を入れる処方

海洋汚染対策

SDGsでは「14. 海の豊かさを守ろう」に影響を与える、海洋汚染。

日本は言わずと知れた島国で、海は我々にとっては身近な存在ですよね。

当たり前のように我が国を囲む海ですが、実は海洋汚染により危機的状況にあります。

このまま海洋ごみが増え続ければ、2050年には魚の数より、ごみの数の方が多くなると分析されています。これは衝撃的なニュースではないでしょうか。

このショッキングな分析結果が出た後に、たくさんのアパレル企業も海洋汚染を深刻な問題と捉えて、問題解決に取り組んでいます。

その一例が「脱ペットボトル・脱プラスチック」の動きです。

脱ペットボトルの動きは、アパレル以外の業界でも推進されています。例えばスターバックスがプラスチック製のストローの全廃し、2020年末には全店舗で紙ストローに切り替えられました。

繊維業界でも、多くの起業がリサイクル資源の採用を積極的に取り組んでいます。

その中でも、プラスチックであるポリエステルのリサイクル化は、他の合成繊維に比べて進歩しています。

ポリエステルはリサイクル品しか使用しないと宣言されているアパレル企業もいます。

ペットボトルは自然界に残留する資源のため、再利用して海洋汚染に歯止めをかけましょう。

まとめ

POINT

◆SDGsとは、「全世界のすべての人が幸せになるために、より良い環境を目指す17の国際目標」 誰一人取り残されることなく、全て達成することが目標

アパレル業界が関与するSDGs
 - 労働環境
 - 環境汚染対策
 - 海洋汚染対策 

SDGsの”誰一人取り残されることなく、よりよい世界を作る“というスローガンはとても素敵な考えですよね。

近年、サステイナブルの取り組みに力を入れる企業は、右肩上がりに増えています。サステイナブルは、社会貢献ではなく、全員が取り組まなければならない責務という考えが、より強くなるでしょう。

私たちが住むこの地球の環境や人々の生活を守るためにも、少しずつできることから取り組むことを心がけていきましょう。

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