「トレンドカラー」ってどうやって生まれるの?

    「トレンドカラー」は、テレビやニュースなどでたくさん聞きますよね?
    ファッションを楽しむうえで欠かせない要素の一つです。流行物の色を少しでも取り入れたくなる方も多いのではないでしょうか?服選びや生地選びをする際にも、役立つ知識です。

    今回は、そんな「トレンドカラー」について、紹介していきます。

    目次
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    「トレンドカラー」ってどうやって生まれるの?

    「トレンドカラー」と決め方

    「トレンドカラー(流行色)」って誰が決めるのだろうと疑問に感じたことがある人もいるかと思います。

    ファッション関係やアパレル業界で働いている人は、ご存知かと思いますが、トレンドカラーは人為的に設定されているのです。国際的なトレンドカラーは、「インターカラー(国際流行色委員会)」という民間の団体によって決定されます。インターカラーによって決められるトレンドカラーは、実は2年前から決められていて、そのトレンドカラーに合わせて、各アパレル会社が製品を作っていきます。インターカラーは、世界中の企業からインターナショナルかつ、世界で最も早くトレンドカラーを決める団体です。

    トレンドカラーが決まると、素材やスタイルが決められ、その年のシーズンの流行ファッションが決められるのです。実は、全てのデザイナーが完成の赴くままにデザインを創作しているのではありません。

    インターカラー(国際流行色委員会)」の役割

    「インターカラー(国際流行色委員会)」は、色彩情報のリサーチと開発の場となるプラットフォームの役割を担っています。1963年に「フランス」、「スイス」、「日本」を主導に発足しました。トレンドカラーを決めるインターカラーですが、年に2回、6月と12月に開催する「Intercolor Congress」という会議で、2年後に流行らせたい色を決めます。6月は、「SS(Spring/Summer=春夏)カラー」を、12月には「FW(Fall/Winter=秋冬)カラー」を選定します。

    この会議には、加盟各国代表の非営利の色彩情報団体が、それぞれの国で代表の1団体ずつ参加します。各加盟国の代表団体がそれぞれに選んだ色を持ち寄って、トレンドカラーの提案や議論が行われます。トレンドカラーは、ファッションだけに限らず、化粧品や工業製品などの産業にも影響します。

    インターカラーの加盟国は、2021年12月時点で17か国が加盟しています。

    日本のトレンドカラー、JAFCAとは?

    インターカラーとは別に、日本のトレンドカラーの設定に、「JAFCA(一般社団法人 日本流行色協会)」の存在があります。カラーデザインの向上と、豊かな色彩生活を目指して、日本でのカラーデザインに関する様々な活動をしている団体です。JAFCAは、1953年(昭和28)に設立されました。インターカラーよりも歴史の古い団体です。

    インターカラーが発表するトレンドカラーの設定後、色彩動向調査や日本の社会動向を踏まえて、各分野の専門委員とともに、日本の産業に活用される「JAFCAファッションカラー(カラートレンド情報)」を選定します。会員への「JAFCAファッションカラー」の発信は、インターカラーのトレンドカラー発表後の約半年後となります。

    JAFCAの発表するトレンドカラーは、シーズン毎にレディースとメンズのカラーが発表されます。さらに、各シーズンのテーマが設けられ、そのテーマを元にトレンドカラーが選定されます。例えば、2022年の春夏レディース向けのカラーテーマは「“Breathing” ブリージング(深呼吸)」です。これは、コロナウィルスの流行により、窮屈な生活や息苦しさを感じる世の中から、一息つけるように願いを込めて決められたテーマのようです。このように、タイムリーな社会情勢に基づいてテーマとトレンドを落としこまれていきます。

    JAFCAのサイトでは、今年のトレンドカラーを誰でもチェックすることができますが、モノつくりをするアパレル企業などは、それまでに製品を作り上げなくてはなりません。インターカラーやJAFCAの会員になることで、設定されたトレンドカラー情報をいち早く入手し、商品化への準備をすることができます。会員になること意外で、トレンドカラー情報を知るには、展示会の参加などが有効でしょう。
    2022年以前のトレンドカラーは、下記リンクより確認できますので、興味のある方は確認してみてください。

    JAFCA | 一般社団法人日本流行色協会 | Color Trend | Ladies` Wear

    そのほかにもJAFCAでは、カラーに関するセミナーや情報発信、コンサルティング事業や書籍出版などを手掛けています。

    パントン・オブ・ザ・イヤー

    インターカラーとは別で、アメリカのニュージャージー州に本社を置く「色見本」の会社であるPANTONE社も、独自のトレンドカラーを選定しています。PANTONE社が、毎年12月頃に「パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー(PANTONE Color of the Year)」の中で、PANTONE社が選定した次の年のトレンドカラーが発表されます。

    「パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー」は、2000年から始まり、2022年まで23年間続くトレンド分析と社会情勢や市場動向を調査して、厳選に選定されています。確かな分析力と、色彩情報を持ち合わせているので、ファッション業界だけに留まらず、グラフィックデザインやインテリア業界などのさまざまな分野の企業も注目しています。パントン・カラー・オブ・ザ・イヤーは、グローバル・カルチャーにおいて現在起きていること反映し、人々が求める色を表現できるように役立つことを目的として、立ち上げられました。

    2022年のパントン・カラー・オブ・ザ・イヤーに選ばれた色は、「PANTONE 17-3938 Very Peri」という色でだとPANTONE社のホームページで発表されています。赤紫の色味を帯びた淡いブルーの新色で、きっと今年見かける機会も多くなるでしょう。PANTONE社のトレンドカラーや、過去のトレンドカラーは下記のリンクより確認することができます。

    引用:Pantone Color of the Year 2022 / Introduction | Pantone

    まとめ

    POINT

    トレンドカラー

    • 色彩情報団体:インターカラーによって設定される
    • 年に2回、春夏向け、秋冬向けのトレンドカラーを設定

    インターカラー

    • 国際流行色委員会
    • 国際的なトレンドカラーを設定する民間の色彩情報団体

    JAFCA

    • 一般社団法人 日本流行色協会
    • 日本のトレンドカラーやカラーデザインに関する活動をする団体

    パントン・オブ・ザ・イヤー

    • PANTONE社の発表する独自のトレンドカラー

    トレンドカラーって、実際のシーズンの2年前に決まっているのですね。個性を大切に自分の好きな色も組み合わせながら、上手にファッションにトレンドカラーを組み合わせてみてはいかがでしょうか?色は見た目の印象を左右するとても大きな要素です。今後も色の知識を深堀りしていきたいと思います。

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