今回の記事では「ガーゼ生地」にフォーカスを当ててみたいと思います。
ガーゼと言えば、衣料品より医療用のガーゼの方がイメージ強く思い浮かべるかもしれません。アパレル関連で使用される「ガーゼ生地」とは、どのような生地なのでしょうか?
「ガーゼ生地」とは?
「ガーゼ生地」
「ガーゼ生地」とは、一般的にはコットンを使用して、目の粗い平織りにした布と定義されています。日本では、綿紗(めんしゃ)とも呼ばれることがあります。最近では、定義の捉え方が広げられ、素材はコットンだけに関わらず、ポリエステルなどの合成繊維やシルクなどの糸を使用して作られる生地もあります。今では目の粗い平織組織をガーゼとして、広義でとらえられるようになっています。
ガーゼの名前の由来は、パレスチナの「ガゼ」という地名から来ていると言われています。日本でガーゼとういう言葉が使用されたのは明治時代からで、当時ドイツ語が多く日本に移入してきた時に、この「ガーゼ」が医療用具として日本に伝わりました。
医療用具として伝えられたこともあり、ご存じの通り今でもガーゼ生地は医療品として使用されています。吸収性の高いガーゼ生地は、手術時などで血液のを吸収させるために使用されています。そして、ガーゼは医療用具だけではなく、アパレル品にも幅広く使用されています。
「ガーゼ生地」の特徴とは?
医療用具から衣料品まで幅広い用途で使用されるガーゼ生地ですが、どのような特徴があるのでしょうか?
柔らかい風合い
元々ガーゼは、肌触りのいいコットンを甘撚り(糸を甘めにねじり撚る)して作られます。そのため肌触りはもちろんよくなるのですが、織り組織自体も甘めに織られる平織のため、目が詰まってない分柔らかく仕上がります。高密度になればなるほど、ハリ感や固さが増すのですが、ガーゼ生地の場合は、糸1本1本が目で分かるほど、目と目の間に隙間があります。
このふんわりとした柔らかさと肌触りの良さから、ベビー用品にガーゼ生地は多く使用されています。繊細な赤ちゃんの肌が荒れないような優しい肌触りが、ガーゼ生地の特徴の一つです。
吸水性・吸湿性に優れている
前述したように、吸水性が優れていることから、血液を吸収する医療用具としても使用されています。またガーゼに消毒液を浸して、患部に塗布したり、保護ガーゼとして患部の上を保護する目的としても使用されています。
衣料品としても、汗の吸収をしてくれることから、下着や肌着、ハンカチなどにもよく使用されている生地です。
通気性に優れている
ガーゼ生地は、目が粗いことから、空気の通り道が大きいので、通気性が非常に高い生地です。吸水性も高いうえに、通気性もいいので、汗を吸収して乾きも早くなります。快適な着心地が続くので、夏場には特に活躍するでしょう。あせもなどができやすくなると感じられたら、ガーゼ生地の肌着に変えてみるのもいいかもしれません。
ほどよい通気性があることから、最近ではマスクにも使用されて、快適さをあげてくれるとして活躍しています。
軽い
ガーゼ生地は、非常に軽いことも特徴です。目が甘いため、生地が詰まってない分軽くなります。ガーゼ生地の製品を持っている方は、実感できるでしょう。
光沢感が抑えられたナチュラルルック
ガーゼ生地は、光沢感が抑えられています。ツヤ感がない分、ナチュラルな見た目や柔らかい印象を与えます。
「ダブルガーゼ」とは何?ガーゼとの違いは?
ガーゼの中でも、「 ダブルガーゼ 」と呼ばれるものがあります。ダブルガーゼとは、2枚に重なったガーゼのことを指します。ガーゼ1枚は薄い生地ですが、2枚に重ねることで、ふっくらとした生地に仕上がります。二重にすることで、空気を貯めて、保温性も期待できます。吸水性も生地面積が増える分、高くなります。
1枚では、甘い組織のため透けやすいガーゼですが、二重にすることで、透けにくくなります。これにより、シャツやワンピースなどの生地にも使用しやすくなります。また、二重にしても、ガーゼ自体が軽いので、一般的な生地より厚みはありながらも、軽く感じるでしょう。
また、二重だけに留まらず、 三重にした 三重ガーゼもあります。よりふくらみが増して、1枚ではないハリ感やへたり感をカバーしてくれる組織です。1枚ものの良さ、二重・三重の良さを使い分けることができるので、ガーゼ生地の万能性がお分かりいただけるのではないでしょうか。
ガーゼのおすすめ生地
「オーガニックコットン シングルガーゼボーダー」
オーガニックコットン100%を使用した、素材にまでこだわった生地です。オーガニックコットンは、化学薬品を使用せず、消費者の人体影響はもちろん、生産者・地球環境にも配慮して栽培された綿花を使用しています。
ボーダー調になっているので、ファッション要素も忘れないオシャレなガーゼ生地です。
「ベビーアルパカ/シルクガーゼ天竺」
こちらはガーゼ生地では一般的なコットン素材ではなく、ベビーアルパカとシルクを使用したガーゼ生地です。ネーミングから伝わると思いますが、ベビーアルパカのなめらかな風合いと、光沢感があるシルクを組み合わせて作っています。アルパカの毛は、保温性に優れているほか、丈夫な糸で摩擦に強い糸です。
さらに天竺組織のため、ストレッチ感もあるガーゼ生地にさらにいくつものファンクションをつけた生地です。
Wガーゼ 千鳥格子
ガーゼ生地と聞くと白地の無地を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
この生地は、ジャガード織の織組織で柄だしをしている遊び心のある生地です。プリントで上から載せた柄と違い、立体感を感じさせる織り方になっているので、高級感のある見た目に仕上がります。他にもたくさんの柄があるので、興味があればぜひ他の柄もチェックしてみてください。
ダブルガーゼになっているので、透け感は抑えられ、衣料用に使いやすい生地です。
「ウォッシャブルウール×綿の三重ガーゼ」
その名の通り、洗濯可能なガーゼ生地です。ウォッシャブルメリノウールを使うことで、繰り返し洗濯可能になり、取り扱いが非常にしやすい生地です。メリノウールはご存じの方も多いと思いますが、高級ウールとして知られています。型崩れがしにくく、熱伝導が低いことで、夏は涼しく、冬は暖かい魔法のような機能を持ち合わせています。
そんなメリノウールとコットンを組み合わせた3重に重ねたガーゼです。ふんわりとした厚みと素材の良さを感じられるガーゼ生地です。
まとめ
「ガーゼ生地」
- 一般的にはコットンを使用して、目の粗い平織りにした布
- 広義では、素材関係なく目の粗い平織りの布
「ガーゼ生地」の特徴
- 柔らかい風合い
- 吸水・吸湿性に優れている
- 通気性に優れている
- 軽い
- 光沢感が抑えられたナチュラルルック
もし、医療用ガーゼのイメージが強かったなら、今回でイメージは変わったのではないでしょうか?ガーゼの特徴は、アパレル品にもとても使いやすく、機能性も抜群の生地です。