
ラミーとはどんな素材?
ラミー(ramie)は、イラクサ科の多年草「苧麻(ちょま)」の茎の靭皮(じんぴ)から取り出した天然植物繊維です。中国・東南アジアが主な産地で、日本では「苧麻」「真麻(まお)」とも呼ばれてきました。
歴史は古く、古代エジプトのミイラを包む布にもラミーが使われていたとされています。アジアでは数千年にわたり衣類や漁網・ロープなど生活用途に広く使われてきた素材ですが、現代では主に夏向けの衣料テキスタイルとして高い評価を受けています。
ラミーの主な特徴
天然繊維最高クラスの強度
ラミーは天然繊維の中でも特に引っ張り強度が高く、コットンの約8倍ともいわれます。繊維が長く整っているため、細い糸にしても切れにくく、耐久性の高い生地に仕上がります。水に濡れると強度がさらに増す性質があり、漁網・帆布などに古くから使われてきた理由もここにあります。
美しい光沢と清涼感
ラミー繊維の表面は滑らかで、絹に似た自然な光沢があります。この光沢感が高級感を生み出し、上質な夏の衣料素材として人気の理由のひとつです。また繊維自体が硬くて肌に張り付きにくいため、汗をかいても体から離れてさらりとした着心地が続きます。夏の涼感素材として非常に優れた特性を持っています。
優れた吸湿・速乾性
ラミーは吸湿性が高く、汗をすばやく吸収して発散します。繊維内部への水の浸透が早い一方で乾燥も速く、ベタつきにくい快適な着用感が得られます。抗菌・防臭効果も持ち合わせており、清潔感が求められる夏の衣類や寝具に適しています。
紫外線カット効果
ラミーはUV遮蔽率が高く、夏の屋外での使用に適した機能性を持っています。薄手の生地でも紫外線をある程度カットできるため、夏のシャツやロングスカートなどに用いられることが多い素材です。
ラミーのデメリット
シワになりやすい
ラミーは繊維が硬く弾力性に乏しいため、折り目やシワがつきやすいのが難点です。リネンよりもシワが目立ちやすく、アイロンがけをこまめに行う必要があります。シワを「味」として楽しむ着こなしか、形状安定加工が施された製品を選ぶと扱いやすくなります。
硬さとごわつき
コットンや柔らかく加工された素材に慣れていると、ラミー製品は初期の硬さが気になることがあります。着用・洗濯を繰り返すことで徐々に柔らかくなりますが、最初から柔らかい着心地を求める場合はコットン混紡のラミー生地を選ぶとよいでしょう。
縮みやすい
水洗いによる縮みが生じやすい素材です。初洗いで縮む場合があるため、手洗いか洗濯機の弱水流コースを使い、最初の数回は単独で洗うことをおすすめします。
ラミー・リネン・ヘンプの違い
「麻」と呼ばれる繊維はラミーだけではありません。よく混同されるリネン・ヘンプとの主な違いを整理します。
| ラミー | リネン | ヘンプ | |
|---|---|---|---|
| 原料植物 | 苧麻 | 亜麻 | 大麻草 |
| 光沢 | 強い | やや有り | ほぼなし |
| 硬さ | 硬い | やや柔らか | 中程度 |
| 強度 | 非常に高い | 高い | 非常に高い |
| 主な産地 | 中国・東南アジア | ヨーロッパ | 世界各地 |
ラミーは三者の中で最も光沢があり硬さが際立つため、ドレッシーな夏アイテムや高級感のある生地に向いています。
ラミーの主な用途
- 衣料: 夏のシャツ・ブラウス・スカート・パンツ
- 寝具: シーツ・枕カバー(吸湿・抗菌性が活きる)
- インテリア: テーブルクロス・クッションカバー
- 産業用途: ロープ・漁網・工業用フィルター
近年はコットンやポリエステルとの混紡素材として、シワや硬さを改善しながら光沢・吸湿性を活かした製品が多く展開されています。
オーガニックラミー
トスコ株式会社が世界初のオーガニック認証となるオーガニックラミーを販売しています。サスティナブル企画でもラミーを取り上げることができるようになりました。
まとめ
ラミーは天然繊維の中でも特に強度・光沢・清涼感に優れた夏素材です。シワや硬さというデメリットはありますが、それを補って余りある機能性と高級感を持っています。コットンやリネンとはひと味違う上質な夏の着こなしを求める方に、ぜひ試してほしい素材です。



