貴重な超長綿「スビンコットン」特徴やレアと言われる理由とは?

「スビンコットン」ってご存知でしょうか?

とても貴重なコットンで、流通量も少ないため、あまり聞きなれないかもしれません。コットンの中でも、最高品質とも言われ、一度手に取るとその風合いに虜になる人がたくさんいるそうです。

今回は、「 スビンコットン」の魅力について、発信したいと思います。

目次

スビンコットンとは?

スビンコットンとは?

スビンコットンとは、インドで栽培される綿花の中でも、インド南部に限定して栽培されるコットンです。

この スビンコットンは、インドの超長綿である「スジャータ綿(SUJATA)」と、カリブ海の島国で栽培される「シーアイランドコットン(St.VINCENT)」を掛け合わせて生まれた優性交配種です。それぞれの頭文字を取って、「 スビン(SUVIN)」と名付けられたのが、由来となります。

CICR (the Central Institute for Cotton Research)によって開発され、高価なエジプトのギザ綿の代替として1974年に商業用に栽培され始めました。 スビンコットンはインド南部に限定して栽培される綿花で、収穫量も不安定な面もあることから、とても希少価値の高いコットンです。インドの誇りとして、最高級ランクの品位として知られるコットンです。

そして1980年代以降、この貴重な スビンコットンの主要な輸出先の一つが、実は私たち日本なのです。世界的に見ても、取り扱いの少ない スビンコットンの製品を日本で手に取ることができるかもしれません。店舗などで見る機会があれば、ぜひ手に取ってその魅力を感じてみてください。

スビンコットンの特徴とは?

スビンコットンは繊維長が長い「長繊維綿」に位置付け、さらにその中でも特に長い「超長綿」に該当します。繊維長は38-40 mmの長さで、世界でもトップクラスの繊維長です。

スビンコットンは、繊維が細く、強度があることでも知られています。超長綿の中でもトップクラスに繊維が細いため、風合いは柔らかく仕上がり、シルクのような光沢としなやかな風合いが魅力です。

スビンコットンの中でも、特に最高レベルに仕分けられる「 スビンプラチナム」があります。「 スビンプラチナム」とは、ファーストピック(初摘み)の綿花のみに名付けられます。ファーストピックでは純度が高く、栄養分をたくさん含んだコットンを収穫できます。また、機械ではなく手作業で丁寧に摘まれるので、綿花を傷つけません。さらに、栄養分の豊富な根元のコットンボールを摘むことで、油分が含まれたなめらかで強度の強い繊維を取ることができます。スヴィンコットンは、ファーストピックまたは、セカンドピックで収穫されたものが、現在では主に流通しています。

こうして、手塩に掛けて大切に育てられた スビンコットンは、コットンの中でも最高品質とも言われ、世界中で愛される知る人ぞ知るコットンなのです。その風合いを活かして、カッターシャツ、ニットや直接肌に触れる下着などに使用されています。

スビンコットンが貴重と言われる理由とは?

スビンコットンは、貴重とお伝えしましたが、ここでは何故貴重なのかを紹介したいと思います。 スビンコットンが市場に多く出回っていない理由としては、「限定的な生産と栽培条件」、「栽培期間の長さ」、「収穫量の少なさ」にあります。

限定的な生産と栽培条件

先ほどもお伝えした通り、 スビンコットンは、インド南部でのみ栽培されています。世界中で栽培されるコットンの中でもインド南部タミル・ナードゥ州の限られた農家でのみ栽培されているので、どれだけ貴重かお分かりいただけるかと思います。インドは綿花大国でもありますが、その中でもインド綿全体の0.03%以下の収穫量と言われています。

インドの中でもインド南部に栽培される理由としては、 スビンコットンの厳しい栽培条件にあります。 スビンコットンは、高原で風通しのいい環境で育てられます。土壌条件や日照時間の少しの違いが品質の差につながる繊細な繊維です。この条件を満たす環境が、インド南部の一部の地域に限定される理由です。

栽培期間の長さ

スビンコットンは、一般的な綿花よりも栽培期間が長く育てられます。 スビンコットンは種まきからの栽培期間は、約220日~230日とされています。一般的な綿花が、125日~160日ほどの生育期間とされているので、 スビンコットンの栽培期間がいかに長いことが分かります。これほどの違いがあることから、栽培期間が長くなる分、値段が張ってしまうのも納得です。

綿花の成長期間を長くとることによって、 スビンコットンの特徴である細くて長い繊維に繋がります。しかし、栽培期間を長くとるということは、生産者にとってリスクを抱えることになります。

栽培期間が長くなる分、天災などの災害被害に遭う可能性が高まります。世界的にも、温暖化や異常気象の影響で、干ばつや大型台風、洪水などの天災の頻度が高まっています。実際に、インドでも豪雨や洪水によって綿花が栽培途中でダメになってしまうケースが多数報告されています。そんな中で、栽培期間が長いということは、それだけリスクが高まるのです。

収穫量の少なさ

上記で説明させていただいた通り、 スビンコットンを育てることは容易ではありません。それ故に、 スビンコットンを栽培している農家は限定的で、少ないことが現状です。栽培しても、市場に出回る前に枯れたり、ダメになってしまうこともあるため、リスクが大きく手を引く農家もいます。開発当初よりも、栽培量は年々減少傾向で、レアなコットンになりました。それでも、インドの誇りとして絶やすことのないように、栽培農家の方たちが今も丹精込めて栽培してくれています。

まとめ


POINT

スビンコットン

  • インド南部で栽培されるコットン
  • 「スジャータ綿」と「シーアイランドコットン」の交配種
  • 世界トップクラスの繊維長と細さ

スビンコットンが貴重と言われる理由

  • 限定的な生産地と厳しい栽培条件
  • 長い栽培期間
  • 収穫量の少なさ

栽培農家の方たちが丁寧に手間をかけて作った綿花のため、最高レベルの品質と風合いを生み出すことができています。種の改良から、生産条件までこだわった「 スビンコットン」の生地を、ぜひ手に取って品質を確かめてみてください。

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