動物繊維の特徴とは?(ラクダ毛・兎毛・シルク・羽毛編)

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前回でも、動物繊維の説明をさせていただきましたが、今回も引き続き動物繊維の深堀をしていきたいと思います。獣毛以外にも他の動物繊維にはどのような特徴があるのでしょうか。

目次

動物繊維のそれぞれの特徴

ラクダ毛

ラクダと言えば、砂漠を連想しますよね。砂漠と言えば、気候変動の激しい地域です。そんな厳しい環境下でも生き抜くラクダやラクダ科の毛は、どのような特徴があるのでしょうか。

  • 繊維が細く、柔らかい
  • 保温性に優れている
  • 弾力性があり、型崩れやシワになりにくい
  • 光沢感がある

 

キャメル

ラクダと言えば、上記で述べた通り、年間で80度以上の温暖差のある砂漠で生息しています。かなり冷え込む砂漠地帯にも耐えるラクダ毛は、「保温性」は非常に優れている繊維です。他にも、「高い吸放湿性」「弾力性」「光沢感」が特徴です。

ラクダの毛は中心にたくさんの穴がある多孔質繊維となっています。この穴が空気を含むので、保温性がウールや他の繊維と比べてもかなり高いのです。また、この穴のおかげで、水分や湿気の吸湿力と発散力が高く、ムレなく快適な着心地にしてくれます。

弾力性があるため、シワが入りにくいほか、光沢感があることで、高級感を生み出してくれます。

 

アルパカ

アルパカはその可愛さから、動物園の人気者ですが、繊維業界の世界でもアルパカの毛は、上質で人気があります。アルパカはラクダ科で、毛を刈らない限り伸び続け、2年ほど刈らないと地面に毛が付くほどの脅威のスピードで成長します。

アルパカの繊維の特徴は、「太い毛」「摩擦による毛玉や毛羽立ちが少ない」「なめらかな手触り」「保温性」ことが挙げられます。

アルパカの毛は、太くしっかりしているため、丈夫なことで有名です。摩擦に強く、毛玉や毛羽立ちが少ないことも大きな利点です。その丈夫な毛質の割に、なめらかで優しい手触りのため、服を作ることに適しています。

また、アルパカの毛は、繊維がストローのように空洞になっています。この空洞のおかげで、暖かい空気をため込むことができ、高い保温力を持っています。冬の寒さをしのぐために、アルパカの毛はとても貴重で、「アンデスの宝石」と呼ばれるほど寒気の厳しい国では重宝されています。

アルパカの毛にも種類があり、短毛種の「ファカヤ種」と長毛種の「スーリー種」があります。流通している97%はファカヤ種と言われていて、スーリー種はわずか3%と大変貴重な繊維のため、高額で取引されています。

 

ビキューナ

ビキューナはアルパカより小さいラクダ科の動物です。ペルーやボリビアなど南アメリカの高地に生息し、首の下に長い毛があるのが特徴です。

ビキューナの繊維の特徴は、なんといっても「繊維の細さ」です。獣毛繊維の中で、最も細く柔らかいとされています。「光沢感があり」「弾力性」もあります。

ビキューナ繊維は、その細さからとても柔らかく肌触りの良さが人気となっています。シルクのような光沢感もあり、弾力性もあることから、シワになりにくく型崩れが起きにくい素材です。

ビキューナは、かつての乱獲により絶滅危惧に認定されているため、捕獲数が制限されていて、大変貴重な繊維です。幻の繊維と言われるほど希少価値が高いため、最高級のカシミヤと比べても20~30倍はするとされる非常に効果な繊維です。

兎毛

ウサギの毛はふわふわして柔らかいイメージがありますよね?

 

  • 保温性に優れている
  • 軽く柔らかい
  • 絹のようななめらかさと光沢感がある
  • 毛足が長い
  • 摩擦に弱い

アンゴラ

高級素材として知られるアンゴラは白く艶やかな「光沢感」が持ち味です。「軽くて」「保温性」「吸湿性」にも優れています。

アンゴラの毛は特に白くて美しく、絹のようななめらかさと光沢感があります。アンゴラの飼育には、特別な管理がされているため、汚れが少なく、白く美しい毛が採れるのです。軽さと着心地の良さから、ニット服などによく使用されます。

ウサギの毛には、繊維に小さい穴がたくさんある多孔質繊維です。キャメル同様に、この穴のおかけで、高い保温性と吸放湿性を持ち合わせています。

繭繊維:シルク

動物繊維の中でも、シルクはお馴染みの繊維ですね。

シルクは、クレオパトラや卑弥呼などの歴史上の人物からも愛されたと言われる昔から存在する繊維です。シルクは、蚕(カイコ)の繭から作られる繊維です。


  • 光沢感
  • 保温性に優れている
  • 吸放湿性がある
  • 強度が強い

シルクの特徴と言えば、なんといっても真珠のような美しい「光沢感」が一番に浮かぶのではないでしょうか?光沢感がある繊維は、まるでシルクのようだと例えられるくらい代表的な特徴です。

シルクは見た目以外にも機能面でも優れた繊維です。シルクの糸には微細な多孔質構造をしているため、キャメル同様に空気を含み、保温性に優れています。またこの穴を活かして、吸放湿性があり、ムレなく快適な着心地です。さらには、その糸の細さとは裏腹に、引っ張りに対する繊維の強度が強いため、衣服を作る上では、強い味方の繊維です。

羽毛

羽毛は、その高い保温性から、ダウンジャケットなどに多く利用されています。衣料品以外では、羽毛布団にもよく使われています。

羽毛の中でも、鳥の羽部分を「フェザー」と呼び、水鳥の胸に生えている、羽軸を持たない綿毛のような部分を「ダウン」と呼びます。ダウンは水鳥1羽から5~30gしか採れないため、フェザーより貴重とされています。

  • 軽い
  • 吸放湿性がある
  • 保温性がある

 

グース

グースは、水鳥のガチョウから採れる羽毛です。色によってホワイトグースやシルバーグース(グレー)と呼び分けられます。

グースの特徴は、「かさ高性」「保温性の高さ」です。グースの羽毛は、一つ一つの繊維が大きいことから、かさ高性があります。繊維が大きいことによって、より多くの空気を含むことができるので、保温性に非常に長けている繊維です。

 

ダック

同じく水鳥のダックも、数多くのダウン製品に使用されています。ダックの特徴は「軽さ」と、「保温性の高さ」です。

ダックの繊維はとても軽く、獣毛と比較するとその違いは一目瞭然です。

ダックは一般的には、グースに比べると繊維が小さく保温性にかけると言われています。しかしダックの中でも北半球の北極圏近くに生息する「アイダーダック」と呼ばれる品種は、羽毛の毛先が特殊な形を形成しており、それにより、空気の含みが大きく、保温性に優れています。

まとめ

POINT

ラクダ毛:繊維が細く柔らかい、保温性に優れている弾力性があり、型崩れやシワになりにくい、光沢感

  • キャメル
  • アルパカ
  • ビキューナ

兎毛:保温性に優れている、軽く柔らかい、絹のようななめらかさと光沢感がある、毛足が長い、摩擦に弱い

  •  アンゴラ

繭繊維:シルク:光沢感、保温性に優れている、吸放湿性がある強度が強い

羽毛:軽い、吸放湿性がある、保温性に優れている

  • グース
  • ダック

前回に引き続き動物繊維について調査しましたが、全ての動物に独自の個性や性質があり、面白いですよね。

それぞれの長所を活かしながらモノつくりをすると、理想を体現化できるかもしれません。

ぜひ、一度動物繊維でのモノつくりをトライしてみてはいかがでしょうか。

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