演色性(メタメリズム)とは?評価法や原因とは?

買い物をした際に、お店で見た時の色の印象と家に持ち帰った時の色の印象が違って見える経験はないでしょうか?また、身近な経験談でいうと、写真のフィルターなどを変更すると、同じ物体を撮影しても、見え方が異なることは、よく体験するのではないでしょうか?これは、光源の違いによって起こる「演色性」が原因です。

今回は、「演色性」について解説していきたいと思います。

目次

「演色性(メタメリズム)」とは?

「演色性(メタメリズム)」とは?

「演色性(メタメリズム)」とは、光源によって色の見え方が変わる性質のことを指します。例えば、自然光(太陽光)の下で見た時の服の色と、蛍光灯の下で見た時の服の色が違うように、光源が異なれば色の見え方にも変化が現れるのです。

演色性は、製品の色再現性を評価する際に重要な要素です。特に、商業施設、展示会、美術館などで正確な色再現が求められる場合には、高い演色性を持つ光源を使用することが要求されます。色の再現性はファッションには欠かせない重要な要素のため、演色性も製品の印象を変える大きな要因となります。

「演色性」の評価法

演色性はどの色にも多少は起きてしまうものですが、演色性の中でもいい・悪い色が存在します。演色性がいいと言われる色は、色の見え方が自然光(もしくは基準光源)に近ければ近いほど演色性がいいと定義されています。反対に、光源を変えてみた時に、自然光と大きく見え方が異なる場合は、演色性が悪いと評価します。

光源装置での評価

(引用:Amazon.co.jp: Huanyu 標準光源装置 光源ブース 4光源 D65 TL84 UV F 光源ボックス 色評価 品質管理 昼光/紫外線/蛍光灯/白熱灯 (4光源) : 産業・研究開発用品

光源装置とは、光源ごとに色彩の比較ができる装置です。時には海外の客先とも色の評価のすり合わせをすることも企業によってはあるので、国際的に光源に基準を設けることで、世界中同じ条件の下で、色の評価を行うことができます。基準となる光源に対して他の抗原を使用した際に、演色性が発生するかどうかを、光源装置の下で生地を見ることで目視での判断することができます。

一般的にアパレル向けに使用される光源の一例は、下記の通りです。

CIE標準光源D65

D65は、CIE(国際照明委員会)が定める国際基準の光源の一つで、欧州や北欧における平均的な正午の光  (直射日光と晴天の空による拡散光の合わさった光) に対応している基準の光源です。色温度が6500Kで、昼光光源とも表現されます。Dシリーズの光源の中には、D50: 色温度5000Kの日中光や、D75:色温度7500Kの北空昼光を再現した光源もあります。

TL84

TL84は蛍光灯の光とも表現されます。色温度が4100Kで、ヨーロッパおよび太平洋地域における職場や店内の照明を再現する光源です。D65とTL84の光源を比較して、自然光と蛍光灯での色の変化の違いを見ることができます。

平均演色評価数(Ra)と特殊演色評価数(Ri)

演色性は第三者機関で評価することができ、日本の場合はJIS(日本産業規格)で演色性の評価テストを実施することができ、一般的には平均演色評価数(Ra)または、特殊演色評価数(Ri)を使って表します。基本的にはRaの数値が80以上ある場合は、演色性がいいと評価することができます。(基準光源=100とし、8割以上で演色性がよいとされる)

「演色性」の原因とは?

演色性はなぜ起きるのでしょうか?

光源のスペクトル(波長特性)の違い

光源のスペクトルとは、光の色や波長の分布を示します。異なる光源は異なるスペクトルを持ち、それによって物体の色や見え方に影響を与えます。光源が変わると波長の強度が異なることで、色の見え方にバラツキがあります。

物体の反射特性

物体は光を一部吸収し、一部反射します。物体の表面の材質や色素の特性によって、反射される光のスペクトルや量が変化し、演色性に影響を与えます。

演色性の要因として考えられるのは複数あり、これらの要因は相互に関連し、物体の演色性に影響を与えることがあります。物理的に全てを解決することは不可能ですので、理解してうまく付き合っていく必要があります。

演色性以外の色の見え方の違いの要因とは?

演色性は主に光源による影響を指しますが、色はその他の要因でも人それぞれ異なる捉え方をします。

視覚の特性

演色性は、個々の人の視覚特性にも影響を受けます。個人の色覚や感知能力の違いによって、物体の色や見え方に対する感じ方が異なる場合があります。

明るい時と暗い時の視感度の違い

人の目は明るい環境下と暗い環境下では、見え方に違いがでてきます。電気をつけた状態と消した状態で見え方が異なるので、皆さんもイメージしやすいかと思います。

人の目は、主に明るい環境下で機能する「錐体細胞(すいたいさいぼう)」と暗い環境下で機能する「桿体細胞(かんたいさいぼう)」の2種類の視細胞を環境によって使い分けています。この異なる視細胞が働くことで、見え方や色の感じ方にも影響を及ぼします。

脳の違い

色は脳で見ると言われるように、脳の影響によって色の見え方・捉え方に違いが生まれます。色はある周波数範囲の光の周波数を、人や動物が見分けるときに脳が処理することで、識別することができています。

例えば、女性と男性では色の見え方に違いがあると言われています。これは男女による脳の違いが影響を及ぼしていると言われています。他にも国によって色の識別に違いがあったり、脳の使い方が異なれば見え方も人それぞれ異なります。

周りの色による影響

周りの色に影響されて違う色に見えることがあります。同じ色でも背景色が濃い色の場合と薄い色の場合では見える色味に違いが生まれます。下記の図は、真ん中にある丸の色は同じですが、オレンジの背景と緑の背景では少し色の印象は変わりませんか?

人の目は背景や周りの色の影響によって、無意識に想定した環境の色に変換して、実際の色と異なって見える錯覚を起こすことがあります。そのため、上記の図のように色の違いを感じるのです。

まとめ

POINT

「演色性(メタメリズム)」とは?

  • 光源によって色の見え方が変わる性質

「演色性」の評価法

  • 光源装置での評価(D65, TL84)
  • 平均演色評価数(Ra)と特殊演色評価数(Ri)

「演色性」の原因とは?

  • 光源のスペクトル(波長特性)の違い
  • 物体の反射特性

演色性以外の色の見え方の違いの要因とは?

  • 視覚の特性
  • 明るい時と暗い時の視感度の違い
  • 脳の違い
  • 周りの色による影響

演色性はさまざまな要因が重なって起こるため、完全に演色性をなくすことはできないでしょう。それでも、モノつくりの段階で演色性のリスクを事前に確認・把握していくことで、より品質の高い製品を作ることができるでしょう。

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