アフターコロナ コロナウイルス以降のアパレルの購買動向とは?

目次

コロナウイルス以降の購買動向とは?

コロナウイルスの感染の拡大の影響により、たくさんの国がロックダウンなどの政策を取ってきました。それによる経済へのダメージは、アパレル業界問わず大きくなっています。

ロックダウンによる店舗クローズや、在庫を抱える企業も多く、コロナウイルスによりファッション業界の今後を見直す機会にもなりました。

アパレル業界においてコロナウイルス前後では、どのような変化があるのでしょうか?

コロナウイルス以前の傾向とは?

コロナウイルス発祥以前は、ファッション業界の動きとしては、大量生産・大量消費ショートリードタイムによるファストファッションの動きが高まっていました。

大量生産では、一度に効率よく生産することができるため、コストパフォーマンスのいい商品を消費者に提供できます。主に、大きな施設や従業員を確保できる海外での生産が主軸でした。

ファストファッションは、商品が店頭に置かれる速さが魅力です。店頭の流行や需要傾向を探りながら、増産することで、在庫を抱えるリスクを減らすことができます。

しかし、これらの手法はサステイナブルへの意識向上により、見直しが必要ともいわれていました。

大量生産はコストを抑えられるメリットはありますが、バイヤーの在庫リスクやコスト削減のために、サプライヤー側が低コストで働かざるえない環境を強いられるケースがあります。

コロナウイルス以後の傾向とは?

全世界を混乱に陥れたコロナウイルスは、今後どのような影響を与えるのでしょうか?

今後求められるポイントをまとめてみました。

サステイナブル

2015年にSDGs(Sustainable Development Goals)が国際サミットで採択されて以降、サステイナブルへの関心はますます高まっています。世界中で発生する自然災害も、人災が原因ではないかと考えられるようになっています。CO2などが原因で温暖化が進み、数々の影響をもたらしています。温暖化により台風が強大化したり、気候変動による自然火災などが毎年のように報告されています。このまま環境破壊や温暖化が進み続けると、私たちの地球はいつ滅びるか分かりません。今後も地球で暮らせるように、人々が幸せになれるように、世界規模の目標としてSDGsが発足しました。

いまやサステイナブルは社会貢献の一種ではなく、もはや取り組まなければ企業としては生き残れないほどになるかもしれません。世界の消費者のアンケートで、値段が高くてもサステイナブルな商品を購入すると回答した人が66%に昇りました。実際、近年の売上好調な企業は、サステイナブルに関与する企業が多く占めています。

コロナウイルスにより、健康意識が向上しました。人体への悪影響を減らすために、サステイナブルへの関心も同時に高まっています。

サプライチェーンの透明化

以前はあまり注目されていませんでしたが、今や「サプライチェーンの透明化」は経営者にとって、知っておくべき概念になりました。企業が製品を作るまでの過程で、サプライヤーを把握して、透明性のある情報を消費者に伝えるべきという思想が高まっています。

サステイナブルに注目が高まる中、労働環境や素材の環境負荷がより重視され、企業が自社に関わるサプライヤーをよく知っておく必要があります。

そんな中、コロナウイルスの影響によりサプライチェーンの混乱が世界中で起こっています。サプライヤーがどんな経済・労働状況なのか、問題なくサプライできる状況にあるのかは必ず確認する必要があります。

すべての工程をトレースできるようにブロックチェーンの活用をしたり、サプライヤー工場監査を取り入れる企業は増えてきています。消費者からの信頼を得るためにも、サプライチェーンの透明化によって消費者にクリーンな情報を提供することが大切です。

トレーサビリティ

前項で紹介した透明性にも関与しますが、商品の過程を辿れるトレーサビリティは、今後も重要な要素のひとつになりそうです。一部企業では、リサイクル商品に置いて、モノの動きを辿れるGRS(Global Recycled Standard)やRCS(Recycle Claim Standard)を導入し始めています。GRSやRCSは原材料から最終製品までが、同じ資源を使用していることを証明する役割を持っています。

サプライヤー間でのモノの受け渡しの際にTC(Transaction Certificate)という認証書を渡すことで、どの原料が縫製品に使用されたかの入口と出口をトレースすることができます。この認証書により、リサイクルの原料が使われていることを証明できるのです。

糸メーカー→機屋→染工場→縫製工場→店舗間のトレーサビリティ例
糸メーカー→機屋→染工場→縫製工場→店舗間のトレーサビリティ例

このトレース機能のおかげで、グリーンウォッシュからの脱却に一役買います。

根拠を示さずに、むやみに「エコ」や「サステイナブル」といった表現を行い、環境に悪影響を与える企業活動を触れないでいると、実態と異なり消費者に誤解を与えます。本当にエコな原料を使用してるかの根拠を示すためにも、トレーサビリティは重要視されるでしょう。

グリーンウォッシュ

企業やその商品・サービスなどが、消費者らへの購買欲を狙うために、

あたかも環境に配慮しているかのように見せかけること

スローダウン

コロナウイルス以前は、大量生産で価格を抑えて短期間での買い替えといった傾向がありましたが、コロナウイルス以降はスローダウン思考が高まっています。耐久性や機能性にフォーカスした” いいものを長く”着る傾向になると考えられています。また、流行よりも長く使える定番スタイルや定番色に購買動向が進む傾向が強くなると予想されています。

流行品をいち早く店頭に並べるファストファッションの動きも、落ち着きを見せそうです。1シーズン限りではなく、何年も着られる服が今後のカギの一つになるでしょう。

オンラインショップの活性化

コロナウイルスによって、店舗を閉めざるを得ないケースもあります。そんな中で、オンラインショップの売上は、コロナウイルス以前より数字を伸ばしています。実際に足を運ばなくても、購入ができるオンラインショップは、間違いなく今後も活発化していくでしょう。

場所を選ばないオンラインショップは、店舗費用がかからないこと以外にも、店舗営業時間外でも買い物ができることや、消費者が国境を越えて買い物ができることも魅力です。今までオンラインショップに抵抗があった人にとっても、ロックダウンや緊急事態宣言の影響により、オンラインショッピングを使い始めた方もいます。

集客が狙える立地のいい店舗は、高価な賃料がかかります。ロックダウンなど影響により、多くのアパレル店が店舗の手放しをしてきました。

コロナウイルス終息後も、このようなネットでの販売スタイルは増えていくでしょう。

まとめ

POINT
  • コロナウイルス以前は「大量生産・ファストファッション」思考 
  • コロナウイルス以降の購買動向は:
     - サステイナブルな商品作りへ
     - サプライチェーンの透明化で、消費者にクリーンな情報提供
     - トレーサビリティで、原料から製品まで追跡する
     - スローダウンで、いいものを長く着る
     - オンラインショップの活性化で、場所や時間を選ばない販売スタイルへ

コロナウイルスは私たちに大きな影響を与えました。

環境負荷や人体負荷のないモノつくりや、消費者へのクリーンな情報開示はコロナウイルス以降も重要なキーポイントになりそうです。

現に、環境や人体に悪影響をもたらす物質の規制が進んでいます。サステイナブルなモノつくりは、避けて通れないようになるでしょう。

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