ファッション業界における環境のためのアクション「7R」とは?

「リデュース」・「リユース」・「リサイクル」からなる”3R(スリーアール)”は有名かと思います。最近ではそれに加えて「7R(セブンアール)」なんて呼ばれ始めているのをご存じでしたでしょうか?

今回は、「7R(セブンアール)」にフォーカスを当ててみたいと思います。

目次

ファッション業界における環境のためのアクション「7R」とは?

環境汚染の深刻なアパレル業界において、さまざまな企業や団体が地球温暖化防止や持続可能な社会のための対策を思考錯誤しています。そんな中で、サステイナブルファッションを推進するNPO団体である「Fashion Takes Action (FTA)」が、3R(スリーアール)に加えて7R(セブンアール)を打ち出しました。7Rの具体的な内容は下記の通りです。

「リデュース(Reduce)」

リデュースは削減です。本当に必要な服のみ購入して、廃棄を減らす取り組みです。購買を減らすこと以外にも、洗濯や乾燥する回数を減らすことで、製品ダメージを軽減して、長く着られるような取り組みも、リデュースに該当します。

また、耐久性の高い生地を使用することで、製品の寿命は大きく変わります。少し高い買い物になったとしても、質の高いコットンを使用することや、強度が高い合成繊維を使用するなどで長く愛着持って着ることができます。一般的には合成繊維は環境負荷が大きくサステナブルな印象はないかもしれませんが、製品の寿命が長く、洗濯等のダメージも受けにくい強度が備わっている点では、買い替えのタイミングを伸ばすことができるので、サステイナブルファッションに繋がる考え方もあります。太番手の糸や軍隊向けにも使用される高耐久の「コーデュラ」糸を使用している生地は、長く着続けることができるでしょう。

「リユース(Reuse)」

リユースは、再び使うことです。繰り返し使い続けることで、製品の寿命が延びて、新たに買い替える必要がなくなります。タンスに眠っていた両親や祖父母の服が、時代が変わり、再びトレンドになることもあります。また、使用しない服を古着屋やリサイクルショップなどに売ったり、買ったりすることも「リユース」に繋がります。
タンスの奥底に眠っている服の見直しをしてみるのもいいかもしれません。

「リサイクル(Recycle)」

「リサイクル」とは、不要になったものを回収して、原料にまで戻して再利用することを指します。原料にまで戻すことで、さまざまな製品に生まれ変わることが可能になります。

例えば、ペットボトルを回収して原料まで戻してリサイクルした場合、同じペットボトルへ新しく作ることもできますし、衣料品や食品の包装フィルムなど、さまざまな製品に転用することができることが、リサイクルの大きなメリットになります。衣料品のリサイクルは、ペットボトルの回収ほどは進んでいませんが、大手アパレル企業が、リサイクルボックスを店舗に設けるなどして、衣料品のリサイクル化を促しています。

「リサーチ(Research)」

廃棄される衣料品の70%は、色落ちや汚れ、服が縮んだりすることによるダメージが要因だそうです。これを改善するためには、洗濯やケアラベルの知識を高めることで、製品の寿命を延長できるのではないかとFTAは提案しています。

ケアラベルの知識は一度身に着けると、多くの衣料品の取り扱いに役立ちします。衣服は私たちが生涯身に着けるものです。リサーチして、お気に入りの服を長く着るためにも、損することない知識です。

ケアラベルとは?

ケアラベルは、家庭での洗濯の取り扱い方について表記されたラベルです。ケアラベルは、「家庭洗濯等取扱方法」という法律で義務化されていて、商品の品質について事業者が表示すべき事項や表示方法を定めています。

ケアラベルで表記されるのは主に5つのカテゴリーで、「洗濯(温度・手洗い等の指示)」「漂白(可不可等)」「乾燥(タンブル乾燥温度・可不可、自然乾燥指示等)」「アイロン(可不可・温度等)」「クリーニング(ドライまたはウェットクリーニングの洗濯指示)」に分けて表記されています。

消費者庁より、分かりやすく解説されているので、ケアラベルの見方は下記リンクを参照してみてください。

引用・参照元:洗濯表示(平成 28年12月1日以降) | 消費者庁 (caa.go.jp)

「リパーパス(Repurpose)」

破れたり使えなくなった衣服は、バッグやピローケースなどの別の用途での使用を工夫することで、廃棄される衣料品が減ると見込んでいます。これは、別のものへ生まれ変わるアップサイクルの考えにも似ているかと思います。

情報源の一つとなるインスタグラムやアメリカのPinterest, Incが運営する「ピンタレスト」などのSNSで、「Repurpose」や「Repurposing clothes」などと検索すると世界中のたくさんの人が衣服を工夫してアレンジしている写真などを見られます。アレンジに興味がある方は参考になるかもしれません。

「リペア(Repair)」

穴が開いた服や靴は廃棄されてしまうことが多いですが、修理することで、さらに長く着ることができます。製品の寿命を延ばすためにも、リペアをすることが勧められています。

洋服のお直しメーカーに依頼することや、自分でアレンジするのもいいでしょう。穴の開いた服に、ベースの生地とは異なる生地を購入してアレンジしてみることで、リペアしながらファッションを楽しめるかもしれません。

「レント(Rent)」

Rentは英語で借りるという意味です。買ってもあまり着ない服があったり、すぐに廃棄してしまう経験はないでしょうか?それでも新しい服が欲しかったりと、おしゃれ好きの方には複雑な心境になるかもしれません。最近では、服のシェアを提供するサブスクリプションも増えてきました。おしゃれも環境にも配慮したい方には、「レント」は一つの解決策になるかもしれません。

イギリスでは、ファッションC2Cレンタルサービス「HURR Collective」などのサービスが立ち上がっています。

サブスクリプションの中にも、プロのスタイリストによるコーディネートサービスを受けられるものもあります。場所も取らないので、さまざまな付加価値がある面からも検討してみてもいいかもしれませんね。

そのほかにも…

地域によってさまざまな打ち出し方がされているようですが、最近では多くて「18R」もあるみたいです。例えば、「リフューズ(Refuse:不要な購買を拒否する)」「リジェネレーション(Regeneration:再生製品の使用を心がける」「リシンク(Rethink:本当に必要かもう一度考える)」「ライト・ディスポーザル(Right Disposal:環境に沿った正しい処分をする」」などがあります。

今回は特にファッション業界への環境に力を入れるFTAが掲げている7Rに注目しましたが、他にも多くのアクションプランの推奨が全産業向けに呼びかけられています。

まとめ

POINT

ファッション業界における環境のためのアクション「7R」とは?

  • リデュース(Reduce)
  • リユース(Reuse)
  • リサイクル(Recycle)
  • リサーチ(Research)
  • リパーパス(Repurpose)
  • リペア(Repair)
  • レント(Rent)

ファッション業界は、汚染産業などと言われていますが、世界中でさまざまな対策が取られて汚名返上のための努力がされています。7Rの中にも、比較的に取り組みやすい目標があったのではないでしょうか?

企業側も消費者側もできることから取り組み、ファッションを最大限楽しみながらも、地球にやさしい環境づくりをしていきたいですね。

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