気品ある冬の装いには欠かせない?「ツイード」とはどんな生地?

「ツイード」という名は聞いたことありますか?
日本人の考える英国紳士的な高級感や落ち着きのある寒い時期の装いとして、昔から注目の高い素材です。

今回は「ツイード」の特徴について紹介していきたいと思います。

目次

「ツイード (Tweed) 」とは?

「ツイード(Tweed)」

「ツイード」とは、太く短い羊毛を使用した「紡毛糸」を用いて織られた表面は粗っぽい毛織物のこと。
何と言っても暖かいことがその最大の利点と言えるでしょう。

ウールは刈り取るタイミングで呼び名が変わり、ラムウールは一般的には生後5~7か月までに刈り取られたウールを指します。成人になり切っていないソフトなウールです。子羊は英語では「Lamb(ラム)」です。ちなみに大人の羊は「Sheep(シープ)」で、成長によって呼び名が使い分けられています。

刈り取り時期に制限があるので、貴重で一般的なウールよりも高価になってしまいます。それでもラムウールの肌触りを求めて、多くの人に愛されている素材です。

「ラムウール」の特徴

チクチクしない

ラムウールの最大の特徴は、チクチクしないことです。ウールの生地は品質によっては、チクチクとして肌触りが悪いものがあります。直接肌に触れて着る場合、かゆみを感じる人もいるでしょう。敏感肌の人は、ぜひラムウール素材にも注目してみてはいかがでしょうか?

ウールコートなどのアウターはもちろん、肌に直接触れるマフラーなどにもラムウールは使用されます。

繊維がとても細い

成長した大人の羊毛と比べると、子羊から刈り取られたラムウールは、繊維が細い特徴があります。1本1本の毛が細く、ふんわりしていることでチクチクすることのない生地に仕上がります。

生地に膨らみが出る

起毛感があり、ふわふわしている仕上がりになります。ウールの繊維はクリンプ(縮れ)があるので、かさ高で空気が入りやすくなります。

軽い

繊維が細くなるに比例して、生地も軽く仕上がります。ウールは重いイメージを持っているかもしれませんが、ラムウールは全体的に繊維が細いので、軽さの違いに気づくでしょう。見た目はふっくら感があるので、厚みも感じますが、その見た目に反してとても軽いのが特徴です。

保温性に優れている

ウールの特徴でもある保温性があります。繊維のクリンプ(縮れ)が複雑に絡み合うことで、繊維内に空気を含みやすくなります。ウールの空気の含む量は他の繊維よりも多く、熱を逃がしにくい構造になっているので、保温性があります。ラムウールはウールよりもクリンプが多くて、繊維1本1本が細く絡まりあうので、より空気の含む量は多くなり、保温性に優れた生地に仕上がります。

シワになりにくい

クリンプのある繊維のため、弾力性があり、シワになりにくい特徴があります。シワが入っていたとしても、アイロンスチームや霧吹きなどで水分を含ませると、シワがなくなります。シワができにくいので、清潔感のある見た目を保てます。

型崩れしにくい

繊維が細く、密集して紡ぎあっているので、ヨレたり型崩れがしにくい素材です。

動きやすく、伸縮性がある

ウールは縮れのある繊維のため、真っ直ぐに引っ張ると伸びる余地があり、伸縮性のある繊維です。さらに繊維同士が絡み合い、動きに合わせて生地が伸縮するので、着ていて動きの制限を感じません。特にラムウールの方がウールよりもクリンプが多いので、伸び縮みの幅が大きくなります。

吸湿性・放湿性がある

ウールは吸湿性が高いので、汗を素早く吸収してくれます。さらに吸った汗や湿気を外に放出してくれるので、衣類の中がジメジメせずに快適な着心地を保ってくれます。ウールの吸湿性は、同じく吸湿性のあると言われているコットンの2倍とも言われ、繊維全体を見ても、高い吸湿性が確認されています。

ウィンタースポーツにも最適

ウールは上記で紹介した吸放湿性があり、さらに保温性も高いところから雪山の登山などのウィンタースポーツにも最適です。寒い環境下の中、運動して汗をかくと、汗冷えにより体が冷えてしまいます。保温性だけを重視すると、動くと暑くなることで汗をかきやすくなり、その汗が冷たく冷えることで、体温を著しく奪う危険性も考えられます。

登山用のブランドが出しているインナーは、ウールジャージ素材を使用していることが多いのもこのためです。

ウールは、汗をかいても素早く吸収して、外に発散し、温かい空気も逃がさない構造となっているので、雪山や厳寒地区では重宝される素材です。

防汚性に優れている

ウール繊維の表面は、人間の髪の毛のようにキューティクルの膜で覆われています。この膜により、多少の撥水性があり、汚れもつきにくくなります。さらに、ウールは静電気が起きにくい素材のため、ほこりを寄せ付けにくく、きれいな表面を保ってくれます。

難燃性がある

難燃性とは燃えにくい素材を意味します。ウールは人の髪の毛と同じタンパク質でできており、燃えても自然と鎮火して、炎が出るような激しい燃え方をしません。髪の毛を燃やすと、チリチリとゆっくり燃えて、やがて焦げた部分が黒く玉状になって鎮火します。次から次へと燃えて広がることはありません。

最高峰のラムウール「スーパージーロンラムズウール」

スーパージーロンラムズウールとは、ラムウールの中でも最高峰と言われるほどのウールです。ジーロンウールは、オーストラリアのヴィクトリア州ジーロン地区で育てられた純血種のジーロンラムから採られたウールです。ジーロンラムズウールはその中でも、生後5~7か月以内にジーロンラムから刈り取られたウールを指します。そしてジーロンラムズウールの中でも、最初に採られるウールだけが、「スーパージーロンラムズウール」と命名されます。

スーパージーロンラムズウールは、ジーロン地区の純血種ラムであり、かつ1頭につき1度しか採取できないので、とても貴重なウールとして知られています。スーパージーロンラムズウールは、ラムウールの中でも特に柔らかく、やみつきになる風合いをしているとして、有名ブランドからも愛される素材です。発色性や保温性も極めて高く、機能面にも優れています。

まとめ

POINT

ラムウール

  • 生後5~7か月までに刈り取られたウール

ラムウールの特徴

  • チクチクしない
  • 繊維がとても細い
  • 生地に膨らみが出る
  • 軽い
  • 保温性に優れている
  • シワになりにくい
  • 型崩れしにくい
  • 動きやすく、伸縮性がある
  • 吸湿性・放湿性がある
  • ウィンタースポーツにも最適
  • 防汚性に優れている
  • 難燃性がある

最高峰のラムウール「スーパージーロンラムズウール」

  • オーストラリアのヴィクトリア州ジーロン地区で育てられ、1番最初に刈り取られたウール
  • ラムウールの中でも特に柔らかく、発色性と保温性にも優れている

ウールの中でも、刈り取りのタイミングで、同じ素材でも性質が異なります。ウールはとても温かく、高級感もあることから、自社ブランドの企画に取り入れたいと思いつつも、チクチクかゆくなるしなぁと生地の仕入れになかなか踏み切れない。そのような悩みがある方は、ぜひ「ラムウール」を触って体感してみてはいかがでしょうか?刈り取りのタイミングが限定的なため、どうしても高価になりがちですが、それでもそれだけメリットの大きい素材です。

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