アルパカ繊維とは?種類や特徴とは?

アルパカと言えば、かわいらしい見た目で動物園でもアイドル的存在として人気がある動物ですよね。アルパカは、ふんわりとモコモコな毛をまとい、いかにも温かく柔らかそうな毛質をしています。そんなアルパカの毛は、衣料品にも活躍しており、高い人気のある動物繊維の一つです。

今回は「アルパカ繊維」について紹介したいと思います。

目次

アルパカ繊維とは?

アルパカ繊維

アルパカ繊維は、動物繊維の中でも獣毛繊維に該当し、その中でもラクダ毛に分類される繊維です。アパレル製品に使用されるアルパカ毛のほとんどは、南アメリカ大陸に生息するアルパカから採られ、みその中でペルー産のアルパカ毛が使用されることが多いです。アルパカはラクダ科で、毛を刈らない限り伸び続け、2年ほど刈らないと地面に毛が付くほどの脅威のスピードで成長すると言われています。

アルパカは、南米の高地に生息しているので、気温の変化が激しい厳しい環境下で暮らしています。そのため、アルパカ繊維は体温調節に優れた繊維としても知られています。

アルパカ繊維の種類

アルパカ繊維には、短毛種の「ファカヤ種」と長毛種の「スーリー種」に大きく分類分けされています。流通するアルパカ繊維の約97%はファカヤ種と言われていて、スーリー種はわずか3%と大変貴重な繊維のため、高額で取引されています。

ファカヤ種

ファカヤ種は、流通のほとんどを占めており、その中でも繊維の細さによってさらに分類分けされています。

ロイヤルアルパカ

ロイヤルアルパカは、約16~20μの繊維の細さのアルパカ毛です。アルパカ繊維の中でも細く柔らかい毛質が特徴の繊維です。非常に滑らかで柔らかい手触りが特徴で、高級品として取り扱われています。

ベビーアルパカ

ベビーアルパカは、約20~23μの繊維の細さのアルパカ毛です。ベビーと名付けられていますが、必ずしも初めて刈られた毛や子どものアルパカから刈られた毛を指すわけではありません。繊維が細く質のいい大人の毛も、ベビーアルパカに分類されることもあります。

ファインアルパカ

ファインアルパカは、約25~27μの繊維の細さのアルパカ毛です。ファインアルパカの中でも、より細い繊維を、スーパーファインアルパカなどと呼ばれることもあります。

スーリー種

スーリー種は、生産量が少なく貴重なアルパカ繊維です。ファカヤ種と比較すると、光沢が強くハリとコシのある繊維が特徴です。希少なため高級品として知られています。

一般的なスーリー種の繊維は、約26~27μ前後が多いですが、特に繊維が細いスーリー種を「ベビースーリー(約21~22μ)」と呼ばれることもあります。

アルパカ繊維の特徴

滑らかな手触り

アルパカ繊維の特徴は、滑らかで病みつきになるような手触りが魅力です。アルパカ繊維は、きめ細かいキューティクルで毛が覆われているので、他の動物繊維と比較しても、より滑らかな表面をしています。アルパカ繊維は、太いことで知られていますが、その見た目に反して、柔らかく優しい手触りで、多くの人を魅了しています。

丈夫で耐久性が高い

アルパカ繊維は、太い毛で丈夫なため、耐久性が高い繊維として知られています。摩擦にも強く、ダメージを受けにくいので、メンテナンス次第では長く使うことができます。

毛玉になりにくい

アルパカ繊維は、ウールなどと比較してもキューティクルがきめ細かいので、滑らかな表面をしています。そのため、繊維同士が絡みにくいので、毛玉ができにくい素材です。ウールなどの繊維は、ふんわりとした風合いが魅力ですが、毛玉ができやすい点が難点です。ニットなどの毛玉ができやすい組織でも、アルパカ繊維は、毛玉ができにくいので、取り扱いがしやすい繊維でしょう。

チクチクしにくい

ウールなどの繊維によっては、着ているとチクチクと痛みやかゆみを伴う商品もあります。アルパカ繊維は、丈夫な毛と裏腹に、柔らかくチクチクしにくい素材です。アルパカ繊維のグレードが高くなればなるほど、繊維が繊細で柔らかくなるため、チクチクする心配はないでしょう。特にランクの高い「ベビーアルパカ」や「ロイヤルアルパカ」になると、うっとりするほどの手触りに魅了されるでしょう。

高い保温性がある

アルパカ繊維は、保温性の高い素材としても知られています。アルパカの毛は、繊維がストローのように空洞になっています。この空洞のおかげで、暖かい空気をため込むことができ、高い保温力を持っています。冬の寒さをしのぐために、アルパカの毛はとても貴重で、「アンデスの宝石」と呼ばれるほど寒気の厳しい国では重宝されています。高級繊維のカシミヤをしのぐとも言われるほど、高い保温性のある素材です。

その高い保温性を活かして、ローゲージで厚みと重みのある製品でなくても、薄手でも温かい製品を作ることができます。冬服は厚みのある生地が多く、嵩張ることが旅行などに行くときは難点になりますが、薄手でも保温性の優れた製品を作れることが、アルパカ繊維のメリットになるでしょう。

ナチュラルな光沢感がある

アルパカ繊維は、自然で美しい光沢を持っている繊維です。特に希少価値の高いスーリー種は、上品な光沢感があり、人気の高い素材です。

汚れやシワがつきにくい

アルパカ繊維は、適度な油分を持ち合わせており、水分や汚れを吸収しにくくなっています。さらにシワがつきにくいので、動物繊維の中でも手入れが比較的に楽にできます。

まとめ

POINT

アルパカ繊維

  • 動物繊維・獣毛繊維-ラクダ毛に分類される繊維
  • アパレル製品に使用されるアルパカ毛のほとんどは南アメリカ大陸産

アルパカ繊維の種類:ファカヤ種

  • ロイヤルアルパカ: 約16~20μの繊維の細さのファカヤ種アルパカ毛
  • ベビーアルパカ: 約20~23μの繊維の細さのファカヤ種アルパカ毛
  • ファインアルパカ: 約25~27μの繊維の細さのファカヤ種アルパカ毛

アルパカ繊維の種類:スーリー種

  • ベビースーリー種: 約21~22μ前後の繊維の細さのスーリー種アルパカ毛
  • スーリー種: 約26~27μ前後の繊維の細さのスーリー種アルパカ毛

アルパカ繊維の特徴

  • 滑らかな手触り
  • 丈夫で耐久性が高い
  • 毛玉になりにくい
  • チクチクしにくい
  • 高い保温性がある
  • ナチュラルな光沢感がある
  • 汚れやシワがつきにくい

これから寒くなる季節に、アルパカ繊維はぴったりです。保温性に優れていて、さらに毛玉になりにくく丈夫な繊維のため、動物繊維の中でも取り扱いしやすい繊維です。動物繊維はたんぱく質でできているので、合成繊維にはない虫食いの懸念はありますが、それ以上に機能性と手触りが優れています。病みつきになるような風合いを、ぜひ手に取って試してみてはいかがでしょうか?

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