ツイードとは?由来や4大ツイードとは?

ツイード生地と言えば、ハイセンスでさまざまな柄を楽しめる温かみのある生地ですよね。ツイードといっても、色んなタイプのツイードが存在しています。

今回は、ツイードの種類や特徴について紹介したいと思います。

目次

ツイード(Tweed)とは?

ツイード(Tweed)

ツイードとは、イギリスのスコットランド発祥の毛織物の生地です。短い毛足の羊毛を紡いで作った紡績糸を使って、平織または綾織で織り上げる生地を指します。太く粗いウールを使って作られる分厚い織物で、さまざまな糸を組み合わせることで、複雑性が増し、見た目もおしゃれな生地です。

ツイードの由来

ツイードの名前の由来は諸説ありますが、主に2つの説があると言われています。

1つ目はスコットランド南東部に位置するツイード川流域で、生地の生産が行われていたことからこの川の名前を取って「ツイード」と名付けられたと言われている説があります。

もう一つは、19世紀半ばにロンドンの商社で販売された際に、伝票に”Twill(綾織)“と書くはずが、”Tweed(ツイード)”と誤ったスペルで伝票を発行してしまったことから、以降「ツイード」と呼ばれるようになったという説があります。

ツイードの種類:4大ツイードとは?

ツイードの中にもいくつか代表的な種類があります。その中でも代表的と言われるのは、4大ツイードとして知られる「ハリスツイード(Harris Tweed)」・「ドニゴールツイード(Donegal Tweed)」・「チェヴィオットツイード(Cheviot Tweed)」・「シェットランドツイード(Shetland Tweed)」です。

ハリスツイード(Harris Tweed)

引用:The Home of Harris Tweed® | Harris Tweed Authority

ハリスツイードは、スコットランドのアウター・ヘブリディーズ諸島で誕生したツイード生地です。ツイード界の代名詞的存在で、最高級品質として認知されています。

ハリスツイードは、ピュアバージンウール100%を染色、ブレンド、紡績、織り、スコットランドのアウターヘブリディーズのみで仕上げ、刻印、認定そして本物と高品質を保証して作られます。生地の特徴としては、ケンプと呼ばれる粗めのウールが含まれていることです。

ハリスツイードは、「ハリスツイード協会」によって定められた条件を満たして初めて認証ラベルをつけることができます。認証ラベルの付いたハリスツイードは、世界でも最も品質が高いツイードとして知られています。ハリスツイードの認証ラベルの条件としては、例えば” 商品外部表面積の50%以上を占めていること”などがあります。ハリスツイードの使用割合が極めて低い製品にもラベルが使われていたことがあったようですが、そのような事態を防ぐためにもハリスツイードのラベルを使用する条件として、設定されました。

ドニゴールツイード(Donegal Tweed)

引用:Donegal tweed – Wikipedia

ドニゴールツイードも、アイルランド北西部のドニゴール州で生産される生地で、ハリスツイードに次いで有名なツイードの一種です。「ドネガルツイード」とも呼ばれて、その語源はドネガル川の水を使用していたことからきているようです。ドネガル川の水は軟水で、この水が製織後のツイードの仕上げに使うことで、しっかりしたハリのある硬めの風合いに仕上げることに適しているようです。

ドニゴールツイードの特徴としては、緯糸にカラーネップと呼ばれる色のついたネップ(節)のある糸を使用します。不規則に表れるカラフルなネップがアクセントとなり、ワンランク上の目を引くおしゃれな生地に仕上がります。ツイードの中でもフォーマル過ぎず、少しカジュアル感の出る見た目となります。

チェヴィオットツイード(Cheviot Tweed)

チェヴィオットツイードは、イギリスの代表的なツイード生地の一つでイングランドとスコットランドの境にあるチェヴィオット丘陵に生息するチェヴィオット・シープから採取した毛を使用して作られたツイード生地です。チェヴィオット・シープの毛は、頑丈で強く、光沢と縮れがあります。このチェヴィオット・シープのウールを使用して作られる生地は、ハリと光沢感があり、派手で大胆な柄が多い特徴があります。他のツイードと比べても、色彩がはっきりしているので、鮮やかでインパクトのある見た目をしています。

シェットランドツイード(Shetland Tweed)

シェットランドツイードは、スコットランド北部に位置するシェットランドという島に生息する羊の毛を使って作られるツイードです。このウールは、繊維が細く柔らかい風合いが特徴で、他のツイードと比べると軽量で保温性にも優れています。このシェットランド・ウールを使用したツイードは、ふんわりとした肌触りで、硬めの仕上がりとなるドネガルツイードなどとは全く異なる風合いをしています。

ツイード生地の特徴

独特の手触り

ツイードは太さの違う糸を組み合わせて作られる織物で、糸使いの違いから凹凸感のある独特な風合いをしています。生地の硬さは使用する糸によりますが、基本的には丈夫でしっかりとした硬めの糸を使用するケースが多いようです。柔らかいツイード生地もあれば、ザラザラした表面の生地もあります。ザラザラした表面で初めは硬さを感じるかもしれませんが、使っていくうちにこなれて柔らかくなっていきます。

丈夫で耐久性がある

比較的に太番手の糸を使用することが多く、丈夫で破れにくい生地が特徴です。ツイードのイメージとしては、高級感のあるエレガントな印象があるかもしれませんが、この高い耐久性からハンティングやフィッシングなどのアウトドアウェアとしても活躍しています。製品寿命も長いので、しっかりメンテナンスをすれば親子2世代でツイードのコートやスーツなどを受け継ぐこともできるでしょう。

保温性に優れている

ツイード生地の生産量が多いのでは、北欧やイギリスなどの国々です。厳しい寒さが続くこれらの国々では、優れた保温性を持つツイード生地は長く愛され続けています。ツイード生地は、短い毛足のウールが使用され、表面のムラや糸の毛羽立ちがあり、厚みのある生地をしています。この繊維と繊維の間に空気が入り込むことで、断熱性が高まり温かい空気を取り込むことができます。

さまざまな柄を作れる

ツイードは、使用する糸や組織を組み合わせることで、さまざまな柄や印象の変化を与えてくれる面白い生地です。ドニゴールツイードのようにカラーネップを使用したものや、毛羽感のしっかりした糸を使用したり、ラメ糸などを使用することで、大きく見た目の印象が変わります。組織もシンプルな平織や綾織以外にも、変化組織のヘリンボーンなどたくさんのパターンと糸の組み合わせによって作られるので、その組み合わせやデザインは無限大に存在します。

まとめ

POINT

ツイード

  • イギリスのスコットランド発祥の毛織物の生地
  • 太く粗いウールを使って作られる分厚い織物

ツイードの種類:4大ツイード

  • ハリスツイード(Harris Tweed)
  • ドニゴールツイード(Donegal Tweed)
  • チェヴィオットツイード(Cheviot Tweed)
  • シェットランドツイード(Shetland Tweed)

ツイード生地の特徴

  • 独特の手触り
  • 丈夫で耐久性がある
  • 保温性に優れている
  • さまざまな柄を作れる

ツイードにもたくさんの種類があります。見た目も機能面でも魅力がるので、手に取ってそれぞれの生地を比べてみてはいかがでしょうか?

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