ポリエステルの一種、カチオン糸とは?

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カチオン糸って聞いたことはありますか?

合成繊維をよく使用する方は、お馴染みかもしれませんね。カチオンを使用することで、見た目の変化や味が加わり、よりファッションの幅が広がるようになります。

今回は、そんなカチオン糸の特徴や強みを重点的にお伝えしたいと思います。

目次

カチオン糸とは?

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カチオン糸

カチオン糸とは、ポリエステルの一種で、カチオン染料で染まる分子基を、ポリエステルに配合することで作られる加工糸です。カチオンは「CD」と表記されたりします。通常のポリエステルは、カチオン染料ではなく、分散染料を使用して染色がされます。

カチオン糸の中には、100℃以上でないと、安定したきれいな色に染まらない「カチオン可染糸」と100℃以下で染色することが可能な「常圧カチオン可染糸」の2パターンがあります。

アパレル業界全体でも、安価で供給量が多く扱いやすいポリエステルの生地はたくさん流通しています。簡易的に染色や加工をできるイメージを持っているかもしれませんが、ポリエステルは意外にも130℃前後の高温・高圧をかけて染色するため、それに対応する高温・高圧染色機が必要とするやや癖のある染色法なのです。同じく合成繊維の一種であるナイロンの染色は、100℃前後で染色されることが多く、常圧染色機に対応しています。

このように、多くのポリエステルは、専用の高圧染色機にのみ対応していますが、常圧カチオン可染糸の場合、通常のポリエステルの染色法とは異なり、常圧タイプの染色機で染色することが可能になります。

カチオン染料

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カチオン染料は、アクリル繊維に使用される染料に近く、イオン結合によって染色します。通常のポリエステルは、非イオン性でカチオン染料の分子と結合することができないため、染まりません。カチオン糸は、ポリエステルにスルホン酸基を科学的に配合することによって、イオン結合が可能になり、カチオン染料で染めることができるのです。

カチオン染料はイオン結合により化学的に染色されるため、通常のポリエステルで使用される分散染料よりも発色性がよく、染色堅牢度も優れています。そのため、蛍光色などの色鮮やかで発色性が要求される色に染める場合に使用されることがあります。

カチオン糸の使用用途例

カチオン糸とは、どのような生地に使用されるのでしょうか?

 カチオン可染糸

基本的に、カチオン糸が使用される用途としては、カチオン染料の特徴を生かした鮮やかな生地もしくは、柄付けや二色染などの用途です。

通常のポリエステルと、カチオン糸を使用することで、二色の染め分けをすることができます。通常のポリエステルは、分散染料で染色し、カチオン染料では染まりません。そのため、別々の色に染色することができるのです。この染め分けを利用して、チェック柄やストライプ、独特の光沢感のあるシャンブレー生地や、下記の写真のような柄模様などに使われています。柄付けができるので、無地生地に比べて見た目の表現の幅が広がります。

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また、ポリエステル以外にも他の繊維との組み合わせでも染め分けをすることができます。しかし、ポリエステルとの繊維の組み合わせの場合の方が、効率よく染色が可能です。カチオン可染糸の場合も通常のポリエステルと同じく、100℃以上の高圧条件で染色されます。2回別々に染色する二浴染をされる場合もありますが、最近では、分散染料とカチオン染料を同時に染色機に入れて、一度に染色する方法で染色されています。二浴染はコスト面も納期面でもデメリットなため、ポリエステルとカチオンの組み合わせで染め分けるケースが多いようです。

 常圧カチオン可染糸

常圧カチオン可染糸は、カチオン可染糸に比べてどのように使い分けられているのでしょうか?常圧カチオン可染糸もカチオン可染糸と同様に、染め分けなどに使用されます。違いとしては、カチオン可染糸の高圧染色条件に耐えられない繊維を混ぜた生地に使用されています。

ナイロンやアクリル、ウール、シルクなどの繊維は、ポリエステルに使用される高圧染色機では、繊維にダメージを与えて、強度が著しく下がる懸念があります。そのため、高圧染色機で染めるカチオン可染糸より、常圧染色で染める常圧カチオン可染糸が使用されます。高圧で染色する場合は、風合いも固くなりやすいので、素材の柔らかさを引き出すためにも、常圧カチオン可染糸が好まれます。

ポリエステルとカチオン糸の違いを徹底比較

ポリエステルとポリエステルの一種でもあるカチオンの違いとは、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?

 ポリエステルカチオン可染糸常圧カチオン可染糸
染料分散染料カチオン染料カチオン染料
染色機高温・高圧高温・高圧常圧
発色性
堅牢度
エネルギー・CO2削減××
糸強度〇/△
風合い
値段×
糸種×

ポリエステルとカチオン糸の大きな違いは、まず染料です。そして、カチオン糸の中でも高圧か常圧染色かで「カチオン可染糸」と「常圧カチオン可染糸」に分かれます。染料での違いは、発色性や堅牢度に出ており、カチオン糸が優れています。

そして、染色法で差が出るのは、CO2・エネルギー消費量です。高温・高圧染色機は、やはりCO2の排出量も多く、エネルギー消費量も多くなります。ポリエステルの中でも常圧で染色することが可能な常圧カチオン可染糸は、エネルギー消費量が少なく、環境負荷の面でも優れています。また、高温染色は生地が固くなりやすいですが、常圧で染色すると、素材本来の柔らかさを引き出せます。

糸の強度は、一般的にはカチオン糸は通常のポリエステルより若干弱くなる傾向があります。しかし、最近ではそんなカチオンのデメリットをカバーするために、分子レベルで改質を行ったカチオンが開発されています。カチオンのメリットを生かしながら、強度や耐久性をカバーする糸の誕生により、メリットの多い糸として注目されています。

しかしながら、カチオン糸には避けられないデメリットがあります。それは、コスト面と糸種の少なさです。ポリエステルに科学的に分子基を混ぜるため、コストはやはり高くなります。また、種類豊富なポリエステルに比べて、カチオンのデニールやフィラメントカウントの種類は限られており、糸種には制限があります。

まとめ

POINT

カチオン糸:カチオン染料で染まる分子基をポリエステルに配合した加工糸

  • カチオン可染糸
  • 常圧カチオン可染糸

カチオン染料:イオン結合にて染色

カチオン糸の使用用途例

  • 高発色生地
  • 染め分け生地:チェック柄・ストライプetc

ポリエステルとカチオン糸の違いを徹底比較

  • カチオン可染糸:高発色・高堅牢度
  • 常圧カチオン可染糸:高発色・高堅牢度・エネルギー消費削減

カチオン糸の特徴が伝わりましたか?高発色かつ、染め分けなどにも使用できるので、たくさんの利点があります。特に高発色な生地や、蛍光色を使用したいと考えているなら、カチオンがおすすめです。インパクトがあり、鮮やかな色を再現することができるでしょう。ポリエステルの繊維の一種であるため、比較的に扱いやすい繊維です。

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