プリーツシワ加工とは?種類やメンテナンス法とは?

プリーツといえば、華やかで美しいヒダが魅力ですよね。同じ生地でも、プリーツ加工を施したものと施していないものでは、別物の見た目をしています。

今回は、生地の「プリーツ加工」について紹介したいと思います。

目次

プリーツシワ加工とは?

プリーツシワ加工

シワ加工は、その名前の通り、加工でシワを加える加工法の一つです。シワは、規則的なシワを付ける方法と、不規則にシワを付ける方法があります。プリーツは規則的なシワをつける加工法の一つです。

プリーツシワは、生地に折り目やヒダをつけて加工します。シワ加工の中でも、簡単には取れないくっきりとしたシワが特徴です。山折りと谷折りが繰り返されており、折山が連続して現れます。衣料品やカーテンなどに使用される加工法で、生地に立体感をもたせるほかにも、装飾性や生地にゆとりをもたせることで動きやすくする用途として加工がされます。

スカートにプリーツ加工すると、ふんわりとシルエットが広がることで、見た目が華やかになるだけではなく、動きやすさが加わります。タイトスカートより、プリーツ加工が施されたスカートの方が動きやすくなります。カーテンも、プリーツの有無で大きく見た目が変わります。生地の使用量が増えるので、値段は張ってしまいますが、カーテンのヒダが細かく多いほど、より高級感のある見た目に仕上がります。

プリーツの歴史

プリーツの歴史はとても長く、プリーツの発祥は紀元前3,000年頃の古代エジプトの時代と言われています。古代エジプトの王や王妃などの衣装に使われていたことが報告されていて、プリーツは身分の高い人しか身に着けることができなかったと言われています。プリーツ生地のヒダの形が、放射線状に広がる太陽の光に似ていることから、太陽を崇めていた古代エジプトにとって、特別な意味を持っていました。

中世ヨーロッパになると、プリーツスカートが流行しました。当時の女性は、裾の長いドレスを着ることが主流だったため、プリーツが施されたスカートは歩きやすさが買われて貴族の間で重宝されました。しかし庶民にとっては、プリーツ加工をするには生地の量が倍近く必要になるため、身分の低い者にとっては、手が届かない存在で、この時代でも高貴な人にしか流通していなかったと言われています。

現在では、プリーツ加工が普及しており、制服のスカートなどごく一般的に使われているので、高貴な人が見に着けるイメージはないかもしれません。加工法も改良がされ、洗濯しても消えない「パーマネント・プリーツ」が誕生して以来、プリーツ加工は一般衣料にも広く利用される加工となりました。

シワ加工の方法とは?

シワの加工法としては、さまざまな方法があります。素材によって、シワのつけ方はさまざまで、その特性によって加工が変えられます。

熱可塑性

ポリエステルなどの合成繊維の場合は、熱可塑性を利用することで、シワを付けることができます。熱可塑性とは、常温では変形しないが、熱をかけると溶けて、冷えると固まる性質があります。この熱可塑性を利用して、熱をかけてシワを付けて、冷やすことでそのシワの形を記憶させます。この方法でつけられたシワは、洗濯しても他の繊維よりもシワが落ちにくい特徴があります。

樹脂加工

コットンなどのセルロース系繊維は、樹脂加工によって、シワの形状をキープさせます。セルロース系の繊維は、シワの形を付けた状態で、樹脂加工して定着させます。

プリーツシワの種類とは?

アコーディオン・プリーツ

プリーツシワには、アコーディオンのようにヒダがじゃばら状に連なるシワを「アコーディオン・プリーツ」と呼びます。細かいプリーツが特徴で、華やかな見た目に仕上がるので、一気にドレッシーで女性らしさが演出できるとして、ドレスやスカートなどによく使用される加工法です。プリーツの中でも、タテのラインが強調されるシワが特徴です。

ワンウェイ・プリーツ

引用:Pleat – Wikipedia

一方向(ワンウェイ)に折りたたまれたプリーツを、「ワンウェイ・プリーツ」と呼びます。制服のスカートなどによく用いられるプリーツの種類です。ワンウェイ・プリーツによく似たプリーツとしては、より細かく強いシワが付けられる「ナイフ・プリーツ」という種類もあります。

ボックス・プリーツ

引用:Pleat – Wikipedia

ボックス・プリーツは、名前の通り、箱のようなヒダを連ねて作ります。表のヒダ山を外側に左右に開けて折られて作られるプリーツです。広がり過ぎず、ストンと落ちたシルエットに仕上がります。スカートなどにもよく使用されるプリーツです。

インパーディット・プリーツ

インパーディット・プリーツは、ボックス・プリーツの裏側を表として使うプリーツです。

アンブレラ・プリーツ

アンブレラ・プリーツは、アコーディオン・プリーツの裾の幅を変えることで作ります。裾側を広げることで、傘のように放射線状に広がることから、名前の由来が付きました。

プリーツ加工を長持ちさせるには?

プリーツ加工の中でも、長く持つ加工もあれば、落ちやすい加工もあります。長持ちさせるメンテナンス方法とはどのようなものがあるのでしょうか?

ケアインストラクションを守る

ケアインストラクション(洗濯表示)を守ることが、シワを長く持たせるためには重要です。同じプリーツ加工が施された生地でも、素材が変われば洗濯の方法は変わります。

スチームアイロンでシワを復活させる

プリーツのシワが弱まってしまった場合は、スチームアイロンでプレスすることで、復活させることができます。その際に、元々あったシワと同じところにシワが付くように心がけましょう。特に熱可塑性のある合成繊維の素材の場合は、高温でかけたシワが形状記憶されるので、シワの位置がずれるとそのまま跡が残ってしまう可能性があります。

クリーニングでプリーツを復活させる

しっかりとキレイな状態でプリーツを復活させたい場合は、プリーツのメンテナンスを取り扱うクリーニング業者に依頼するのも手です。お金はかかりますが、プロの力を借りた方が、手間がかからず高いクオリティで復活させることができるでしょう。

プリーツのメンテナンスは一部の業者しか取り扱っていないので、身近な業者が取り扱っているかは確認する必要があります。

まとめ

POINT

プリーツシワ加工

  • 規則的なシワをつける加工法の一つ
  • 折り目やヒダをつけて加工する

シワ加工の方法

  • 熱可塑性
  • 樹脂加工

プリーツシワの種類

  • アコーディオン・プリーツ
  • ワンウェイ・プリーツ
  • ボックス・プリーツ
  • インパーディット・プリーツ
  • アンブレラ・プリーツ

プリーツ加工を長持ちさせるには?

  • ケアインストラクションを守る
  • スチームアイロンでシワを復活させる
  • クリーニングでプリーツを復活させる

見た目を華やかにしたいなら、プリーツ加工はおすすめの加工です。装飾性もあり、ゆとりのある生地が優雅な見た目を演出してくれます。ドレスや舞台衣装はもちろん、プリーツのシワの種類を駆使して、カジュアルな印象にも持っていくことができます。プリーツ加工をぜひ試してみてはいかがでしょうか?

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