「エンブロイダリーレース」「ラッセルレース」「リバーレース」とは?

レース生地は、なんといっても華やかな印象を与えてくれますよね。

レース生地は、そのまま1枚で使用されることはあまりなく、ポイントとしてや、ワンランク上の装飾品として使用されます。家具やカーテンなど、身近なものに使用され、特に女性であれば、レース生地を使用した製品は、1つは持っていることでしょう。

今回は、美しい「レース生地」について紹介します。

目次

レース生地とは?

レース生地とは?

レース生地のイメージはあるかと思いますが、そもそも「レース」の定義とは何でしょうか?

レースとは、1本または複数の糸を使用して、透かし模様を布・生地状にしたものの総称です。糸が密集している部分と、散在している部位があることで、表面に変化を持たせ、模様を浮き出させています。シンプルな模様から、大きく華やかな模様までさまざまで、糸や色を組み合わせることで、無限大のデザインが可能です。

レースカーテンや高級家具、衣料品やウェディングドレスなどにも数多く装飾品として使用され、華やかさと高級感を生み出します。

レース生地のルーツとは?

レースは、紀元前から存在している歴史のある生地です。レース生地の起源は、古代エジプトの遺跡の中からボビンレース生地が見つかったことが始まりと考えられています。昔は、今のような装飾品としては使用されておらず、古くなった衣類の縫製直しなどがきっかけで、布の端をほつれないように編むことがレースの用途でした。

本格的に現在のような装飾品として、レースが使われ始めたのは1,500年代からで、手編みのレース生地が人気になりました。17世紀のフランスでは、豪華な装飾品で華やかに着飾るバロックスタイルが誕生し、貴族の中でレース生地が重宝されました。

レースの種類とは?

レースは大きく分けると、「機械レース」と「手編みレース」の2種類に分けられます。機械レースの中でも、使用する機械によって、仕上がるレースの特徴が変わります。機械レースで作ることができるレースは、どのような種類があるのでしょうか?

エンブロイダリーレース

現在、最も流通して有名なレースは、「エンブロイダリーレース」です。「エンブロイダリー」とは、英語で「刺繍」を意味して、このエンブロイダリーレースは、透け感のある生地に刺繍をしてレース模様を作ります。エンブロイダリーレースは、専用のエンブロイダリーレース機を使用して、作られます。なんといっても、刺繍による立体感のある模様が特徴です。デザインや色の組み合わせなど、自由度も高く、こだわりのある柄を作りたい人にとっては、最適です。

エンブロイダリーレースの中でも、「チュールレース」「綿レース」「ケミカルレース」の3種類に分けられます。

チュールレース

「チュールレース」とは、透け感のある網目状のチュール生地に刺繍を施したレース生地を指します。「ネットレース」とも呼ばれます。透け感のあるベース生地に、刺繡が目立つ華やかなレースです。

チュールレースは、ウェディングドレスなどにも使用され、高級感がアップする装飾品として、活躍します。

綿レース

「綿レース」は、薄手の綿生地に刺繡を施したレース生地です。元々繊維自体に透け感のないコットン素材のため、他のレース生地より透け感は少なくなります。透け感が少ないため、シャツやワンピースなどにそのまま使用でき、さらにコットンの肌触りを活かした着心地のいいレース生地に仕上がります。ナチュラルさと華やかさを同時に引き出すことができます。

ケミカルレース

「ケミカルレース」とは、薬品を使用して一部の糸を溶かすことで、模様を浮かび上げるレースです。基盤となる生地に、水溶性ビニロンを使用して、その上に刺繍を施します。刺繡後に、基盤の生地を溶かすことで、刺繍部分だけが残ります。基盤がないため、模様以外は透けるので、模様に目が行く仕上がりです。レースの下に組み合わせる生地色で印象を変えられて、遊び心のあるレース生地です。

刺繍糸を細番手にすると繊細な刺繍模様に仕上がり、太番手で作ると立体感のあるレースに仕上がります。

ラッセルレース

「ラッセルレース」は、ラッセルレース編機という経編機で作られたレースのことを指します。編み組織により、模様を作ります。繊細で高品質なレースに仕上がり、他のレースと比べてフラットに仕上がります。ラッセルレース機は、特にリピート性のある柄作りを得意としている機械です。リピート柄の柄出しの範囲が広がったおかげで、繊細で高品質なレースを生産することが可能となりました。

ラッセルレースには、リバーレースによく似た「ジャカトロニック」と、柄糸を浮かせるようにしながら編む「テキストロニック」があります。高級品であるリバーレースの代替品としても作られ、リバーレースに近い精巧で繊細な柄のラッセルレースは、「ラッセルリバー」とも呼ばれます。

特徴としては、比較的に早いスピードで編まれるため、生産効率のいいレースです。量産化にも適しているので、大量生産することで、コスト面を抑えることができます。

また、伸縮性のある糸を使用することも可能なため、用途の幅が広がります。

リバーレース

「リバーレース」は、糸を撚って作るレースです。特に細い糸を撚り合わせて作るため、とても繊細で緻密な柄出しを得意とします。濃淡を出すことや、立体感を出すこともできます。

細い糸をたくさん使用し、複雑な組織を作り上げるため、機械の編み速度は遅くなり、熟練した職人が必要となるため、高価なレースになります。リバーレースの中には、ストレッチリバーレースと呼ばれる、伸縮性のあるレース生地も作ることができます。

現在では、リバーレース機の生産がされなくなったため、世界でも一部の工場でしか生産していない貴重なレースになります。

まとめ

POINT

レース:1本または複数の糸を使用して、透かし模様を布・生地状にしたものの総称

  • エンブロイダリーレース:チュールレース・綿レース・ケミカルレース
  • ラッセルレース
  • リバーレース


とても華やかなレース生地。使用される機械によって、出来上がるレースの特徴も変わります。デザイン・立体感・透け感を調整できる生地は、レース生地くらいではないでしょうか。レースを装飾することで、一気に高級感や豪華な印象を与えてくれるので、ファッションのアクセントにもなります。

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